2010.06.02

パレスチナ人権評議会からの声明

「パレスチナ人権評議会は、イスラエルの国際人道支援船団に対する不法かつ暴力的な攻撃を非難します。」

2010年5月31日

パレスチナ人権評議会(Palestinian Human Rights Council)は、今朝早くにイスラエル海軍が行った、ガザに支援物資を運んでいた国際船団に対する攻撃を非難する。この攻撃は国際法において前例がないものであり、かつ違法である。

国連海洋法条約は、国際慣習法として認知されている。この条約の第88条は、公海が平和的目的のため保持されるべきことを確認し、さらに第110条は、公海で外国船と遭遇する戦艦は、その船が海賊行為あるいは奴隷貿易などの不法活動に参加していると疑われる妥当な理由がある場合のみ、乗船できると定めている。ガザ船団は、人道支援物資を運ぶ民間船で構成されていた。これらの船に乗りこむための妥当な理由はなく、乗船していた民間人を殺害するための妥当な理由はより一層少ない。

真に安全保障上の憂慮がある場合、イスラエルは、船団への懸念を表明するために、船に掲げられた国旗の国々に連絡を取り、船の退却を主張せねばならなかった。武器使用については、イスラエルの行動は、船団が自国水域に達したところで、船団の進路をそらすことを目的とした程度でなければならなかった。さらに、たとえ船団が自国水域に達しても、船団が人道物資しか積んでいないことを確認したら、イスラエルは、ガザの占領軍として、その通過を容易にする義務を負っていたのである。イスラエルは、公海上で船の進路を遮断して乗船することによって、国際慣習法を甚だしく違反したのである。

さらに、乗船していた民間人を殺害し負傷させるための実弾使用は、たとえ船の接収に対していくらかの抵抗があったとしても、状況への不均衡な応答であり、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」第6条1項で定められている民間人の生命に対する権利の侵害である。

また、イスラエルは、船団を攻撃した際、自衛のために行動していなかった。船団は、イスラエルの軍司令官たちの言葉によると、「イスラエルを非正当化するために行われた挑発」以外に、イスラエルに対していかなる脅威も与えていなかったからである [1]。 船団への攻撃前に、イスラエル外務省スポークスマンのイーガル・パルモールは、イスラエルの広報活動に関する懸念を以下のように話した。「もし彼らに我々に対して卵を投げつけるのを許せば、我々は顔に卵をつけたバカのように見える。もし我々が彼らを武力で妨げようとすれば、我々は残酷な者たちのように見える[2]」。 国家が、自らの正当性への脅威という懸念を理由に、公海上で民間船に対し暴力的かつ不均衡な攻撃を行うことは、明らかに容認されえない。イスラエルは、人権あるいは国際法を尊重する振りさえせずに、船団に対する武力行使を計画的に決定したのである。

◆ガザに人道支援物資を供給するイスラエルの義務

3年目に入ったイスラエルによるガザ地帯の封鎖は、大規模な人道危機をもたらしてきた。封鎖は、ゴールドストーン報告書において集団懲罰に等しいことが認められている。また、封鎖は、ガザの人々の人道的要請が最大限満たされることを保証するという、ジュネーブ第4条約に基づくイスラエルの占領国としての義務への違反でもある。船団が、必要不可欠な人道支援物資をガザへ運んでいることは広く公表されており、そのような船団に対する攻撃は、占領地への人道支援物資の通過を容易にするという、イスラエルが負う義務に反するものである。

イスラエル国家の官僚たちは、批判的な声明を通じて、船団の信用を傷つけようと試みてきた。ダニー・アヤロン次官は、船団を「憎しみの艦隊」[3]と呼び、アヴィグドール・リーベルマン外務大臣は「ガザ地帯には人道危機は存在しない」[4]と述べた。ガザの人道危機の文脈において、イスラエル政府は人道支援物資の搬入を許さず、支援を提供する人々に対して非難声明を出しているが、これは、イスラエル政府がガザの荒廃状態を継続させようとしていることを示すものである。

パレスチナ人権評議会は、船団の乗務員たちに敬意を表する。 そして、イスラエルによる不法なガザ封鎖を突破することで、法の支配を保証し、普遍的人権を尊重しようとして彼らが払った犠牲に対し、謝意を表明する。国際社会がガザの窮状を緩和せず、ガザにおいてイスラエルが行った国際犯罪に対する説明責任を保証しない中、船団の献身は称賛されるだろう。

イスラエルがガザ封鎖を継続しようと意図し、パレスチナ人の権利を侵害し続ける中、国際社会は直ちに、船団に対する攻撃と不法なガザ封鎖の両方に対して責任を負う人々の責任を問わねばならない。

◆パレスチナ人権評議会は以下の行動を要請する。

ジュネーブ条約締結国および国際社会に対し、ガザ封鎖とパレスチナ領土の占領を終わらせるまでの間、イスラエルに対し制裁を課すことで、イスラエルがジュネーブ条約を尊重することを保証するよう要請する。

EUに対し、EU−イスラエル提携合意(EU-IsraelAssociation Agreement)を延期あるいは破棄することを要請する。イスラエルが、全ての締結国が人権を尊重することが合意の前提であると規定する、合意第2章を違反し続けてきたからである。

イスラエルは、捕虜として拘束し、自らの司法権のもとにある全ての人たちに対し、完全な人権を与えねばならず、また、船団の全ての船と、公海上で不法な暴力と拘束にさらされてきた船乗員と乗客は直ちに解放されねばならない。

国連は、直ちに、ゴールドストーン報告書の提言を実施しなければならない。イスラエルが自らの不法な行動に対して責任を問われない、刑事免責の圧倒的な雰囲気の中でのみ、今日目撃されたような犯罪は起こりうるのである。

署名者
Addameer Prisoner Support and Human Rights Association
Al Dameer Association for Human Rights
Al-Haq
Al Mezan Center for Human Rights – Gaza
Defence for Children International - Palestine Section
Ensan Center for Human Rights and Democracy
Jerusalem Legal Aid Center
Ramallah Center for Human Rights Studies
Women’s Center for Legal Aid and Counselling

[1] See http://edition.cnn.com/2010/WORLD/meast/05/31/gaza.protest/index.html

[2] See http://english.aljazeera.net/news/middleeast/2010/05/201052791958545391.html

[3] See http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/10195838.stm

[4]See http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/hamas-flotilla-shows-whole-world-opposes-gaza-siege-1.292789

* 

国際海洋法条約については以下を参照。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaiyo/unclos.html

原文: http://www.alhaq.org/etemplate.php?id=526

翻訳:T

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