2009.04.20

非暴力デモでひとりが殺された@ビリーン村

西岸にイスラエルの建てている隔離壁に反対して、この4年間、毎週金曜デモを行ってきたビリーン村の非暴力行動で一人の青年が17日(金)に殺された。殺されたのは、バッサム・アブ・ラフメさん(30)で、デモ隊に対してイスラエル兵が催涙弾やラバーコートメタル弾を撃ってきたきたときに、「これは非暴力の行動だ。ここには子どもたちも、外国人(インターナショナルズ)もいる!」と叫んでいたが、新型ロケットタイプ催涙弾を胸に受けて倒れ、その言葉の続きはかき消された。

バッサムさんはラマッラーの病院に運ばれたが、病院到着後すぐに死亡した。

バッサムさんを襲ったのは、新型の高速催涙弾容器で、40メートルの距離から撃たれたものだったが、その容器には「40ミリ弾、特別・長距離用」とヘブライ語で書かれていたという。

この新型ロケットタイプ催涙弾容器は、3月にニリン村での反隔離壁デモでも使用され、頭に一撃を受けた米国人参加者が重体になったものと同じものだった。このときの距離は60メートルだった。このとき、負傷した米国人のアンダーソンさんは、命が助かっても脳に障害が残ると言われていて、いまだに回復していない。

バッサムさんはビリーン村の反壁闘争での初めての死者で、西岸の非暴力反壁闘争のなかでは18人めの死者となった(そのリストは末尾に)。

ビリーン村では土曜に葬儀が行われ、テルアビブではイスラエル人の平和活動家がこの殺人に抗議し、今までの反壁闘争における殺人の調査を求めて、数百人が集まった。

*ビリーン村のサイトにバッサムさんが撃たれたときの動画(YouTube)があります: http://www.bilin-village.org/english/ (下の方のLATEST VIDEOSの一番上)


今回の殺人をイスラエル軍は「事故」とでも言うのだろうか。ロングレンジの高速弾を短距離で人に向かって発射して……。

参考にした記事のなかにもあったが、パレスチナでは新型兵器の実験が行われてきた。特に反隔離壁の非暴力運動に対しては、「群集を蹴散らす」ための新兵器(くさくさ弾とか、やけどするやつとか、いろいろ)が試されてきた。最近になり登場したこの高速催涙弾ロケット型というのは、「催涙弾」という機能だけでなく、殺傷能力が非常に高いことが証明されたわけだ。「催涙弾」であって「実弾じゃない」ということで、言い訳ができるということなのだろうか。おぞましい。

今はパレスチナ人で試しているが、そのうち、どこかの国で反政府デモなどに使われることだって考えられる。

それにしても、パレスチナ人の命の重みは、イスラエル政府にとってあまりにも軽い。今回のことも調査などろくにせずに闇に葬られてしまいそうだ。

反壁闘争で、イスラエル軍に殺された人たちのリストをIMEMC Newsからつけておきたい。

The following is a list of the people killed by Israeli troops at non-violent anti-Wall demonstrations over the last five years.

  • February 26th, 2004:

    Muhammad Fadel Hashem Rian, age 25 and Zakaria Mahmoud ‘Eid Salem, age 28

    Shot dead during a demonstration against the wall in Biddu.

  • February 26th, 2004:

    Abdal Rahman Abu ‘Eid, age 17

    Died of a heart attack after teargas projectiles were shot into his home during a demonstration against the wall in Biddu.

  • February 26th, 2004:

    Muhammad Da’ud Saleh Badwan, age 21

    Shot during a demonstration against the wall in Biddu. Muhammad died of his wounds on March 3rd 2004.

  • April 16th, 2004:

    Hussein Mahmoud ‘Awad ‘Alian, age 17

    Shot dead during a demonstration against the wall in Betunya.

  • April 18th, 2004:

    Diaa’ A-Din ‘Abd al-Karim Ibrahim Abu ‘Eid, age 23

    Shot dead during a demonstration against the wall in Biddu.

  • April 18th, 2004:

    Islam Hashem Rizik Zhahran, age 14

    Shot during a demonstration against the wall in Deir Abu Mash’al. Islam died of his wounds April 28th.

  • February 15th, 2005:

    ‘Alaa’ Muhammad ‘Abd a-Rahman Khalil, age 14

    Shot dead while throwing stones at an Israeli vehicle driven by private security guards near the wall in Betunya.

  • May 4th, 2005:

    Jamal Jaber Ibrahim ‘Asi, age 15 and U’dai Mufid Mahmoud ‘Asi, age 14

    Shot dead during a demonstration against the wall in Beit Liqya.

  • February 2nd, 2007:

    Taha Muhammad Subhi al-Quljawi, age 16

    Shot dead when he and two friends tried to cut the razor wire portion of the wall in the Qalandiya Refugee Camp. He was wounded in the thigh and died from loss of blood after remaining a long time in the field without being treated.

  • March 28th, 2007:

    Muhammad Elias Mahmoud ‘Aweideh, age 15

    Shot dead during a demonstration against the wall in Um a-Sharayet - Samiramis.

  • March 2nd, 2008:

    Mahmoud Muhammad Ahmad Masalmeh, age 15

    Shot when trying to cut the razor wire portion of the wall in Beit Awwa.

  • July 29th, 2008:

    Ahmed Husan Youssef Mousa, age 10

    Killed while he and several friends tried to remove coils of razor wire from land belonging to the village.

  • July 30th, 2008:

    Youssef Ahmed Younes Amirah, age 17

    Shot in the head with rubber coated bullets during a demonstration against the wall in Ni’lin. Youssef died of his wounds August 4th 2008.

  • December 28th, 2008:

    Arafat Khawaja, age 22

    Shot in the back with live ammunition in Ni’lin during a demonstration against Israel’s assault on Gaza.

  • December 28th, 2008:

    Mohammad Khawaja, age 20:

    Shot in the head with live ammunition during a demonstration in Ni’lin against Israel’s assault on Gaza. Mohammad died in the hospital on December 31st 2008.

  • April 18th, 2009:

    Bassem Ibrahim Abu Rahma, age 30:

    Shot in the chest with high-velocity tear gas canister during a demonstration against the Wall in Bil'in.

One killed, dozens injured at the Bil'in weekly protestIsraeli peace activists protest murder of unarmed Palestinian demonstrator by Israeli troopshttp://www.bilin-village.org/english/Demonstrator killed in Bil’in by Israeli forces より)

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■ コメント&トラックバック (3 件)

コメント by :いぬどし

こんにちは。2年ぶりくらいに書き込みます。

多分そのビリーン村の事件のことがTBSのニュースサイトにも出てました。1週間くらいで消えます。
http://news.tbs.co.jp/20090418/newseye/tbs_newseye4111405.html

BS世界のドキュメンタリーは今週はパレスチナの特集で、金曜日は『子どもたちは見た 〜パレスチナ・ガザの悲劇〜』という古居さんによるガザ報告のようですね(『シャロン ガザ撤退の真実』はこの前途中から見て、何だこりゃと思いましたが)。

土井敏邦氏の映画『沈黙を破る』ももうすぐ公開されますね。

先走ってしまいました。

1月にガザ侵攻抗議集会で岡真理さんの話を聴き、最近、岡さんの『アラブ、祈りとしての文学』を読みました。

では、お邪魔しました。

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2009.04.20 (Mon) 18:59

外国人排斥京都デモへのカウンター行動に全国から賛同人になろう

コメント by :草加耕助

これは「左翼が右翼の行動に反対している」のではないのです。私たちの「人間としての」良識と良心が問われているのです。ヨーロッパの在野市民は保守・革新の垣根を越え、極右ファシズムの台頭には共同して反対します。私たちもその精神には見習うべきところがあると思います。今こそ心ある人々はニーメラー牧師の言葉を重く噛み締め、思想信条の垣根をも越えて、この問題では手を結ぶべきだと思います。是非ともご賛同ください。

トラックバック from:旗旗

2009.06.04 (Thu) 23:10

情報の提供元は真実なのか?

コメント by :偽パレスチナ?

イスラエル非難をすれば、世界の左翼勢力に情報が高く売れるという商売があるのを聞きました。双方の歴史を無視している発言が多いのではないか。
日本人の特派員はほとんどいないイスラエルにおいて外国人の書く文章に誠があるのかどうか?催涙弾のことをえらくとり立たされているが、、エラの谷でダビデが使ったのと同じ石投げの飛距離と殺傷能力を知らないで発言している。4、50メートルはゆうに超えますよ。NHKの裏方の翻訳事情に詳しい人から聞けば、パレスチナ人の泣き叫ぶ人のシーンを撮るのにハマスが泣き叫べと横で親を子供を殴りつけている。
その後でカメラがパーンして、その子供や親を映し出す。
国際社会からの同情を誘って、お金をもらいロケット弾を買ってハマスとイスラエルの間で停戦中でもあるミサイルを7000発を撃ち込んでいることを
なぜ、国際社会が目をつぶるのか?
壁を作らねばならない理由がそこにあります。
ガザ侵攻? 防衛戦線をやっているにすぎないですよ。
現地からの情報が少ない日本にとって、メディアがいかに真実を捻じ曲げているか、、残念ですし、北朝鮮がイランにミサイルとロケット弾を輸出して、それをイランがハマスに売っている。日本政府は何をいまさらイスラエル政府を非難しているのだろうか?北朝鮮の貿易を支援しているとしかいえない。
今も昔も日本は情報戦で政府も民間も負けている。



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2009.08.27 (Thu) 10:56

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