2009.01.21

ガザの人びとをエジプトに移送? 

オバマ就任のお祭り騒ぎで、ガザのことなどすぐに過去に葬りさられていきそうだが、被害の検証は始まったばかりだ。国連のバン・ギムン総長がガザ入りして、破壊された国連UNRWA本部や国連運営の学校などを視察している。報道各社も少しずつ何が起こったのかを流している。

ハマスは1週間の停戦期間を宣言し、その間にイスラエル軍の撤退を待つという方針を出した。イスラエル軍もオバマ就任までには撤退させるとしている(で、完了したのか)。けれど、忘れてはならないのは、いつでもイスラエルは同じことを繰り返せるということだ。封鎖と占領がそのままであるかぎり、ガザの人びとの運命は、つねにイスラエルに握られている。

「誰かが馬乗りになって別の誰かを殴っていたら、殴るのを止めるだけでなく、馬乗りになっているのをどけようとするでしょう。殴るのをやめさえすれば、馬乗りのまま押さえつけてても「平和になった」とは言うでしょうか?つまりは、そういうこと。」 「兵糧攻めは「停戦」ではありません」 [モジモジ君の日記。みたいな。]より

裏がそれほどとれていないが、相当気になるニュースを見たので、紹介してみたい。それは、エジプトがガザに近い国内にテントを数百も立てていて、ガザの人を「移す」計画があるというものだ。

「エジプト側のラファの総合病院の外にテントの街が出現した。私が数えただけでも200。エジプト兵士は私にもっと多くのテントがあり、すぐに設置できるだろうと語った。彼らによると、すべてのキャンプにベッドと家具が用意されているという。ほかにもアリーシャや別な場所にもキャンプが設置されるだろうとも聞いた。この設置されたキャンプは「パレスチナ難民」のためのものだと聞かされた」。

これを語っているのは、エジプトのラファでブログを書いているスーイフさんで、この内容はブログ'Angry Arab' を書いているアサド・アブハリル教授がスーイフさんから聞いて伝えた。

エジプト政府はこのテントについてコメントを出していないが、IMEMC Newsではイスラエルの「停戦」に先立ち、明らかに秘密の交渉が行われ、テントが設置されたと書いている。

イスラエルでは右派がパレスチナ人の移送を主張してきたが(入閣もしているアビグドール・リーベルマンは声高に語ってきた)、その一部をこのような形で実行しようとしているのかという疑念が高まっている。

多くのアラブ人ブロガーは、イスラエルによるガザ侵攻の目論見の一部は、この移送にあったのかとの推測をしだしているということだ。

ただ、ガザのパレスチナ人の多くは、今やイスラエルとなったところから追い出されてガザにやってきた人やその子どもたち、孫たちであり、またもや(テントの)「難民キャンプ」に移動することを躊躇するかもしれない。徹底的な破壊に遭い、基本的な生活物資もひどく不足し、壊された家を再建することもできなければ、エジプトでテント生活するという選択肢も迫られる可能性がある。

Arab blogs: Tents in desert reveal Israeli plan to transfer Gazans to Egypt より概要。テントが建ち並ぶ写真あり)


十分に裏がとれていないこととはいえ、テントが設置されているのは確かなようなので、注意を喚起する意味で紹介した。このテントは「人道的支援」という「美名」のもとに移住を進めるツールとして使われる可能性があると見た。

とくにエジプト国境に近いラファ(ガザのほう)の住民たちが、バッファーゾーンを作るために、移住させられることが考えられる。あの地域は今までもどれだけ攻撃を受けてきたかわからないほどなので。

難民となってガザに流れ、攻撃を受けて家を失い、さらにまた、他国で再難民となるなど、誰が好んで選ぶだろう? 戻れるあてもないのに。。。今後の流れを注意して見ておきたい。


・今回の攻撃を考えるうえで大変役に立つ基本的文章(長文だが、Q&Aの形で簡潔にまとまっている)

「ガザ Q&A」 [益岡賢のページ]

パレスチナにおける根本的問題は次の点にあります。すなわち、イスラエルがパレスチナ人の土地を占領しており、パレスチナ人の土地のうちで最上の部分をつかんで離さない決意でおり、パレスチナ人には、実行可能な独立の国家を樹立することのできない土地の断片しか残していないという点です。イスラエルが不法入植地を維持する限り、パレスチナ人はバンツスタンに閉じ込められ続けることになります。

この基本的な現実が変わらない限り、イスラエルによるパレスチナ占領が終わらない限り、パレスチナに平和は実現しません。」(上記より)

・気になる記事メモ

国連事務総長、ガザ地区を訪問 国連施設空爆を非難

暗く沈む子どもの目 眼前で家族惨殺の少女も

「イスラエル軍の白リン砲弾使用は明白」、アムネスティ報告

ガザ:無抵抗の住民殺害…ザイトゥン地区ルポ

イスラエル:ガザで劣化ウラン弾使用か アラブ諸国が書簡

Gaza doctors struggle to treat deadly burns consistent with white phosphorus ……ガーディアン。画像あり。イスラエルのマアリブ紙は「開けた地域でイスラエル軍は、白リン弾を使ったと認めている」と報道。ガザの医師は、わずかな火傷でも死に至った患者の例がいくつもあると話している。

White phosphorus in Gaza: the victims ……ガーディアン。ビデオ。生々しい傷が映し出される。妹と祖父、いとこを殺された少年の証言。英語字幕つき。

追加

イスラエル、白リン弾の使用を認める: Israeli army probes use of phosphorus in Gaza: report ……元記事のハアレツ紙を確かめてないけど、ここにもかなりの情報が。

カテゴリー:ニュース | コメント 0 件 

新しい記事へ → 火曜もガザで3人が殺されている

We can't have a dream. ← 古い記事へ

トップページ

コメント/トラックバック 送信ページへ進む

■ コメント&トラックバック (0 件)

コメント/トラックバック 送信ページへ進む