2009.01.17

毎日新聞は国連UNRWA本部攻撃をスルー!?

ガザ攻撃21日目の16日の様子を伝えるものがほとんどみつけられていない。マスメディアのニュースがどんどん減っているような気がするが、気のせい?

昨日(正確には一昨日)、ガザの国連UNRWA本部が攻撃された事件は大きなトピックになると思って、今日の毎日新聞を広げた。それが……どこにも一行も載っていないのだ(他の新聞はどうだったのだろ)。もしや、明日17日付で載る?それもマヌケだ。毎日新聞は、国連を無視か? 封鎖されて物資が絶対的に不足しているガザの人びとにとって、かけがえのない小麦粉やガソリンが燃えてしまった。それに国連施設を攻撃するというのは、国際社会の枠組も無視するということを意味している。これを報道しないわけ?  さて、またもやイスラエル軍側は、国連施設から戦闘員の攻撃があったと主張している。しかし、UNRWAの現地代表は「砲撃の最中にもイスラエル側と連絡を取り合っていたが、敷地内から攻撃を受けているとの指摘は一度もなかった」とイスラエル側の主張に反論している(朝日)。それどころか、国連側はこのUNRWA本部攻撃に白燐弾が使われたことを主張している。英国インディペンデント紙はこう書いている。

「Thousands of tonnes of desperately needed food and humanitarian supplies were destroyed and about 700 refugees given shelter in the building had to be evacuated. UN officials said the shells were white phosphorus, believed to have been responsible for burns suffered by some Palestinian civilians.」( Outrage as Israel bombs UN より)

white phosphorus」というのが「白燐」のことだ。さんざん、人口密集地での使用は危険だと報じられたのに、また使ったのか。それとも、UNRWAに集積されていた援助物資を燃やし尽くしたかったのか。

さて、この国連攻撃を一行も書かなかった毎日は、いったい何を報じていたのか。

16日の朝、夕刊を全部併せて、みつけたガザ関連の記事は3つで、以下のようなもの。

・「ガザ侵攻 被害17億ドル」復興に5年以上

(気になるところは、イスラエル外務省が停戦後の復興を見据え、特別対策班を設置したというところ。パレスチナ「自治政府」やアラブ諸国などを復興の主体に据える仕組みを検討とのこと。――つまり、「ハマスのせいで殺され、破壊されたが、復興はアッバス(ファタハ)や親米アラブ国がやってくれる」というふうに持っていきたいということだ)

・「密輸阻止、米が協力」イスラエルと覚書締結へ

(リヴニ外相が訪米。米国はガザへの密輸阻止への関与を保証するという見通し)

最も小さなベタ記事だった以下がよく読むと、ガザの状況をかいま伝えてくれていた。

・「イスラエル軍がハマス内相殺害」

「【エルサレム高橋宗男】パレスチナ自治区ガザ地区に侵攻するイスラエル軍は15日夕、同地区北部ジャバリヤ難民キャンプの家屋を空爆し、ガザ地区のイスラム原理主義組織ハマス「政府」の内相、サイード・シアム氏を殺害した。対イスラエル強硬派の同氏は、同地区のハマス最高幹部5人のうちの1人に数えられ、ハマスには大きな打撃となった。

 イスラエル軍はシアム氏が潜伏しているとの情報を基に、同氏の兄弟宅を空爆。強力な爆弾が使用されたとみられ、現場には巨大なクレーターが残された。ロイター通信によると、同氏と息子、兄弟らのほか、隣家の住民4人の計10人が死亡した。」( イスラエル:ハマスの内相を空爆で殺害 最高幹部の1人 より、強調は引用者による。ネット上では一行、国連への攻撃が書かれていたが、私の見た紙面ではそこが削られていた)

大臣を暗殺することも問題だが、その手段を見ると、余計にぞっとする。本人以外に家族が5人殺され、隣家の住民も4人殺され、巨大なクレーターが残るほどの爆弾を使っている。こんな攻撃がイスラエルにとっては「成果」となるらしい。

この15日は70人が殺されたことが報じられている。負傷者を助けることも満足にできないし、殺された者を埋葬するにも場所がなく、危険を伴う。少し前の記事だが、 「終わることのない葬列、埋葬する余地もない墓地」 から引用してみよう。

「……狭い通りを進んでいくうちに葬列に加わる人の数はどんどん増えていった。一行はいくつもの集団に別れ、それぞれに別の道を通って墓地に到着した。墓地の入口付近には、以前に作られた墓であることを示す、装飾を施されたセメント板が並んでいる。まだセメントとスペースがある時に作られたものだ。一方、つい最近埋葬された者の墓はただの土盛りで、ごく浅いところに埋められて土がかぶせてあるだけ。もちろん、これでいいと思っている者などいはしない。墓であることを示すセメントブロックもところどころにあるけれど、葉っぱやツタが置かれてあるだけのものが多く、中には、土がほんの少し盛り上がっているだけで、ほとんど墓と見えないものもある。あまりにも詰め込まれすぎていて、どこが墓なのか判断するのさえ難しい。充分な敬意を払うために充分なスペースをとって配置するなど、とうてい不可能な状態なのだ。

「気をつけて、そこを踏まないで」と友人のマフムードが言い、それと気づきようもないほどに小さな子供の墓を指差した。

このおびただしい死の非道さに、私は改めて頭を殴りつけられたような思いに包まれた。殺戮と心理攻撃が始まって12日が過ぎ、私は、バラバラになった死体を見ても、以前ほどのショックは受けないようになっていた。少しずつ無感覚になっていっていた。(中略)……死体や手足を失った人やめちゃくちゃになった生活が当たり前のようにあるという現実に、私は順応しはじめていたのだった。

土だけの間に合わせのお墓。急いで埋葬するために、手で地面を掘る人。必要なだけの長さがあるもの──ただの板切れや波形のブリキ板、廃材を組んだもの、ストレッチャーなど──に載せた遺体を運んでくる人。頭上には無人哨戒機が行き交い、100メートルかそこらのところから戦車砲の砲撃音が響いてくる。こんなことはもうたくさんだ。あまりにも、あまりにもひどすぎる。私は泣いた。死んだ人たちみんなのことを思って。心に深い傷を負っているすべての人のことを思って。ガザの人たちはみな、自分たちの血がおびただしく流され、それがこれからも続いていくということを、じっと噛みしめている。…… 」

このようなことがずっと、いや、日増しに激しくなっているのがガザだ。ぜひ、全文を読んでみてほしい: 「終わることのない葬列、埋葬する余地もない墓地」 エヴァ・バートレット、1月8日)

AFPはガザで殺された者が1145人になったと伝えている。また、ガザの医療関係からの情報では負傷者が5100人、そのうちの400人が重体だという。


TBSによる国連攻撃のニュース動画: イスラエル軍、国連機関本部に砲撃

追加17日の毎日新聞朝刊では、・「国連施設攻撃EU強く非難」(ブリュッセル発)と・「白リン弾を使用 イスラエル軍 国連が初確認」(ニューヨーク支局)という2つの記事のなかで、国連UNRWA本部攻撃のことが書かれていた。でも、それそのものの記事がないって、どういうことよ? 「消費税率アップ」の記事がなくて、「消費税アップを××が非難」っていう記事だけ載るってありえんでしょ。

カテゴリー:ニュース | コメント 3 件 

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毎日にも

コメント by :m_debugger

毎日にも「国連施設が被弾 イスラエル ガザに激しい砲撃」という記事がありましたよ。総合面で他の記事に埋もれてますが。

1/16の読売・朝日・毎日・産経・東京各紙では、朝日がもっとも詳しく事件を報道しています。関連報道では、イスラエル・アラブの人たちの苦しみを伝える産経新聞の記事 http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090115/mds0901152255012-n1.htm が読む価値があると思います。

とりいそぎ。

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2009.01.17 (Sat) 10:33

毎日、関西版

コメント by :ビー

>m_debuggerさん、

目を皿にして何度も見ましたが、関西版(大阪版)の毎日にはありませんでした。首都圏版では報道されていたんですね。それにしても、関西版……。

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2009.01.17 (Sat) 16:04

毎日って・・・

コメント by :m_debugger

ビーさん、早とちりすみませんでした。
というか謝るべきは毎日ですが・・・。

英語版があれだとかいう話どころじゃないですよね。

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2009.01.18 (Sun) 20:47

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