2008.03.11
停戦か、最終計画か ほか、
(ここに入れない時間が発生していたようですが、もう解決したようです。)
イスラエルがガザに対する停戦を、ハマスによるロケット弾攻撃停止という条件で受け入れそうだというニュースが出ている。エジプトが仲介していて、とりあえず双方ともに一方的な攻撃を自制することを了解しているという(毎日11日付)。だが、ハマスは停戦の条件としてガザの封鎖の解除を求めているし、イスラエルのオルメルトは「軍はガザで必要なだけ行動する」と話し、バラク国防相も「必要なときにガザ攻撃はいつでもする」と語っている。
ライス米国務長官が訪問したばかりだが、16日にはチェイニー米副大統領が中東を訪問し、イスラエルとパレスチナに寄ることが発表されている。「相互の利益に関する問題」について協議するとのこと。(時事11日付)ここでイスラエルの方針が確認されることは確かだろう。
この「停戦」を取り巻く条件をちょっと検討してみよう。
- 米国はブッシュの任期中に(つまり今年中に)、「和平」プロセスを進展させて、パレスチナ「国家」の樹立ショーを行いたい。
- 同時に米国はそのパレスチナ「国家」樹立に障害となるハマスを取り除きたい。
- イスラエルもハマスを取り除きたい。が、国内世論の60%超はハマスとの対話を支持している。人気のないオルメルトはそれをまったく無視することもできない。
- 占領地では西岸でもガザへのイスラエルによる攻撃に対して怒りが高まっている。同じく人気のないアッバスは、この世論を無視して和平会談を継続するわけにはいかない。ハマスの力を弱めたいのは山々だが、ガザでこれ以上の惨劇が続くような方法を取られることは困る。
だいたい、こんなところだろうか。米、イスラエル、アッバス政権ともに、身動きが取れない状態にいると推測される。
イスラエル在住のジャーナリスト、ジョナサン・クックは、発表したばかりの記事で、イスラエル副国防相のビルナイ――ガザに「ショアー」が訪れると脅した張本人――のプランに注目している。ガザを「戦闘地域」と宣言してしまい、住民たちは逃げ出すことしかできない中で、イスラエル軍が自由に行動できるという形を作るというものだ。実際にこんなことが行われると、ガザの広い範囲から住民たちが追放されてしまう(いったい、どこへ行けるというのだろう? エジプトにでも逃げ込めということ?)。これは60年前に現イスラエル領内でパレスチナ人の上に起こったことと同じだ。第二のナクバとなってしまう。( Israel's ultimate plan for Gaza )
一時的にイスラエルとハマスの間に停戦は成り立つかもしれない。しかし、それで解決がつくとは思いがたい。クックが書いているような究極のプランが実行されることのないように国際的な監視が必要だ。
[ハマスがしょうもない手製ロケット弾を飛ばすことを止めるのには賛成。そんなことより、ボーダー封鎖を解くために老若男女がボーダーで非暴力の抗議行動を行うほうがずっといいだろう。]
その他の気になるニュースとリンク
- 「ガザで労働組合の建物が標的にされた」 ムハンマド・オメール [益岡賢のページ]……
「パレスチナ労働組合総同盟(PGFTU)の5階建て建物は、F−16ミサイル二発により、崩壊した。
1965年に創立されたこの組合は、イスラエルが国連決議が求める義務を履行し、国境をそれにしたがって受け入れ、パレスチナ人難民の帰還権を認めるまで、国際社会がイスラエルをボイコットし、経済制裁をイスラエルに与えるべきだと呼びかけた先駆的な運動を導いた団体の一つだった。
先週木曜日(2月28日)の爆撃後、組合員たちはテントをはって活動を再開し、瓦礫の中からファイルと書類を集め始めた。
「占領者は、何の正当化も必要とせずにパレスチナ人に対して犯罪を犯します」とガザのPGFTU代表代行Nabil al-MabhouhはIPSに語った。けれども、PGFTUの建物が破壊されたのは、どうやら、「PGFTUで働く私たちが、パレスチナ人労働者何万人もの権利を擁護しているから」のようである。
Mabhouhは、自分の組織は軍事組織ではなく、「政治的見解や場所にかかわらず、すべての人々に開かれた、権利擁護の団体です」と言う。「様々な国の多くの労働組合と協力関係にあります」と。建物は、ノルウェイの援助で建てられたと言う。
「文民の組織を標的にすることは、イスラエルによるパレスチナ占領が、どれだけ野蛮で非道なものかを示しています」と彼は語る。「私たちはロケットを発射したりしません。労働組合の建物を標的にすることは正当化できません」。
この建物では、労働組合の健康保険を使って、何万人もの労働者とその家族に保健サービスが提供されていたという。
「パレスチナ人労働者を粉砕しようというこの犯罪を私たちは強く非難します。世界中の労働組合に、こうした犯罪的な行為からパレスチナの労働者を守るために、私たちに力を貸してくれるよう呼びかけます」。
こうした爆撃の例にもれず、攻撃により隣接する家々も損傷を被った。…… 」
続きは上記のリンクより。大規模な爆撃の跡を写した写真つき。
- 「イスラエルの大学で」 [壊れる前に…]……
「イスラエルの南部のスデロットという町がある。ガザからハマスのカッサム弾による攻撃を受けているところだ。そこに Sapir College という大学があり、Nizar Hassan さんというアラブ系の教員がいる。ハッサンさんは映画監督であり、映像論を教えているらしい。数か月前、一人のユダヤ人の学生がクラスに軍の制服を着て現われた。そのことを注意したせいで、今、彼は「イスラエルの軍服に敬意を示さなかったため」という理由で職を解かれそうになっているらしい。……」
続きは上記のリンクより。
- イスラエル、ヨルダン川西岸に入植住宅750棟を建設へ (読売10日付)……「イスラエル政府は9日、ヨルダン川西岸にあるユダヤ人入植地ギバトゼエブ(人口約1万人)に、新たに750棟の住宅を建設する計画を明らかにした。
和平案「ロードマップ(行程表)」はイスラエルに入植凍結を義務づけており、パレスチナ側は「和平プロセスを損なう行為」と強く批判。イスラエル側は、「計画は約10年前に決定され、その後、凍結されていたのを再承認しただけだ。新規入植に当たらない」と反論している。」
フランスは外務省の報道官を通して、持続しているイスラエルの入植地建設を批判。イスラエルに自制を求めると発表した。米国務省の報道官はコメントを拒否している。( Paris slams ongoing settlement construction )
また、EUのハビエル・ソラーナ特使も、入植地活動は停止されるべきだとして、イスラエルを批判した。( Javier Solana: no peace in the Middle East with settlement construction )
- ガザの外での治療を受けられず、107人目の患者が死亡。ガザで治療できない重病になっている人たちが、封鎖のためガザから出られない状況になっているが、ガンだったファティマ・アルマカディアさんが亡くなり、107人目の犠牲者となった。107人の中には多くの子どもの患者が含まれている。( Death toll from Gazan patients kept waiting by the Israeli closure of Gaza reaches 107
- 西岸でジャーナリストが連行される。10日(月)、ベツレヘム近郊のデヘイシャ難民キャンプにイスラエル軍の襲撃があり、数人が連行された事件で、ジャーナリストで、パレスチナ・ジャーナリスト連合の会長だったハッサン・アブドゥル・ジャワドさんが連行されていた。イスラエル兵士はジャワドさん宅を捜索し、家族数名も拘束した。ジャーナリスト連合は、これを基本的人権への侵害だとして抗議を行っている。現在、イスラエルに捕らえられているジャーナリストは7人となっている。( Palestinian Journalists Bloc slams the abduction of a reporter from Bethlehem )また、ジェニンでは、11日(火)の午前中、イスラーム聖戦と関係の深いラジオ局がイスラエル軍に襲撃され、機材などを持ち去られ、2年間の放送禁止を言い渡された。イスラエル軍はこの日の早朝からジェニンに侵入し、街で銃をぶっぱなし、商店などを荒していた。( Israeli army shuts down a Radio station in Jenin )
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メソポタミアの歴史始まって以来の危機
コメント by :udasumiko
今ブッシュやブレアはGMO食糧計画を進めている。
米国バイオテクノロジー産業は穀物のDNAを組み換え、より効率の良い大規模農園事業を中南米から中東、アフリカで始めることを計画してきた。殺虫剤成分を出すじゃがいもや大豆、10年腐らない穀物など「偽りの種子」は特許製品として世界に販売されている。
ブッシュは「神が作ったものも人が作ったものもそれほど変わりはしない」と言うが、しかし、GMOのじゃがいもや大豆は滋養がないばかりか、癌、白血病、免疫低下、内臓細胞の破壊など、ラットの実験で深刻な健康被害が認められた。グリーンピースは警告した。EUの人々はグリーンピースの警告文を最優先し尊重する。EUの消費者はブッシュがどう宣伝しようと、GMO種子をEUに持ち込ませない決心をし成功した。アフリカ諸国もGMOの食物が人道支援物資で入ってくるのさえ断った。ブレアのGMOでアフリカの飢饉を救う計画は失敗したかに見えるが、今後も警戒が必要なのだ。
聖書に悪い種を蒔く者と良い種を蒔く者がいるという話がある。
国際環境保護団体グリーンピースは警告を続けている。
考えてみよう。西岸地区でJICAが取り組む事業とは何か。
ブレアは何をしたいのか。
今、メソポタミア文明の土地は最悪の危機を迎えた。
ブッシュのもたらす災いと戦わねばならない。
2008.03.13 (Thu) 17:44



やめればいいのに
コメント by :ダルヴィーシュ見習い
イスラエルのガザ大侵攻はまったく誰の得にもならない愚挙です。
ガザの無辜の人たちがこれ以上悲惨な目に遭わされるのは
何より耐え難いですが、
今のイスラエル軍のモチベーション(長年「弱いもの苛め」しかしていない)では、ハマスとヒズボッラーを南北二正面に迎え撃つことは無理。
ましてやシリアとイランまで相手にすることは不可能(もっともイスラエル軍が祖国存亡の危機となるとそれはまたそれでコワイ→H上人談)。
戦火が拡大してアメリカがなんらかの形で巻き込まれれば
アメリカの経済破綻は決定的になるし、
原油価格はさらに高騰を続け、断末魔の日本経済を含め、
かんばしくない現状の世界経済にも大打撃。
世界で得する人は誰もいません。
(イラン、シリアだとて大きな犠牲を払うことになります)
それでも何らかの後背の勢力が対決を煽ろうとしているとしたら
それは世界大不況を現出させて戦乱を招き、大不況下でひと儲けを企む
国際金融資本くらいでしょう。
皆で止めるしかない。
ハマスが平和的なプロテスト(知恵を絞った)に
移行してくれるとありがたいのですが・・・
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2008.03.12 (Wed) 09:05