2008.03.08

エルサレム乱射事件とパレスチナでの犠牲者 ほか

6日(木)の夜、西エルサレムのユダヤ教宗教学院で、東エルサレム住人のパレスチナ人が銃を乱射し、イスラエル人8人を殺した事件を受けて、ブッシュ大統領は「最大限の表現でテロ攻撃を非難する」と声明を出し、同日、国連安保理が緊急会合を開いた。この事件をテロとして緊急非難声明を採択する予定だったが、リビアがイスラエル軍のパレスチナ人への攻撃も非難するべきだと主張し、声明は採択されなかった。

(8人の命が奪われたことはとても痛ましい。こんなことは起こらないでほしい。しかし、私はひっかかる。先週ガザで100人以上が殺されても、国連安保理は開かれなかった。ブッシュもたいして特に何も非難しなかった。私の取っている新聞でも、この乱射事件は2日連続写真入りで大きな記事となっていた。でも、ガザへの攻撃については、数行のベタ記事にしかならなかった。命の重さがイスラエル人とパレスチナ人ではまるで違うような扱いだ。……そんなことを考えていたら、どんぴしゃりなことを書いているブログがあった: 凶悪な殺人事件自衛のための報復行為 [猿”虎”日記] ここから数行引用させてもらおう。)

  • 規則1: 中東においては、最初に攻撃するのは常にアラブ側であり、自衛するのはいつもイスラエルである。これは「報復」と呼ばれる。
  • 規則2: パレスチナ人であれレバノン人であれ、アラブ人がイスラエル人を殺すのは許されない。これは「テロ」と呼ばれる。…… (「中東問題を扱う西側メディアの規則」)

(全文は 凶悪な殺人事件自衛のための報復行為 [猿”虎”日記]に)

さて、先週28日〜今月5日までの一週間でパレスチナ人114人がイスラエル軍によって殺されたというレポートがパレスチナ人権センター(PCHR)から出された。以下、PCHRの要約からさらにダイジェストしてみる。

PCHRによると、殺された114人のうち、77人がガザへの空爆で殺されている。114人のうち、子どもの犠牲者は28人(赤ちゃんが2人)、6人が女性で、救急医療クルーが1人だった。空爆は52回行われ、最低80発のミサイルがガザに撃ちこまれた。地上侵攻で殺された人は43人になる。

ガザのジャバリヤ難民キャンプへの大規模な空と地上からの攻撃で殺された人は69人。236人が負傷したが、民間人がそのうちの154人を占めた(56人の子どもと11人の女性を含む)。

イスラエル軍はガザ北部の人口密集地に、民間人の生命を考慮することなく、過剰な軍事力を行使し、救急医療クルーにも攻撃を行っている。1人の医療クルーが殺され、1人が重傷を負った。また、多くの救急車が銃撃されて、ダメージを受けている。北部への攻撃だけで175人(うち子ども44人、女性5人を含む)が負傷している。

以下は、イスラエル軍がガザ北部で行った犯罪のうちのいくつかの例である:

  • 家の近くでサッカーをしていた子どもたち4人が空爆で殺された。うち3人は兄弟。(犠牲者は、Mohammed Na’im Hammouda, 9; 'Ali Munir Dardouna, 8; Dardouna Deeb Dardouna, 12; and 'Omar Hussein Dardouna, 14)。他に2人の子どもが重傷を負った。PCHRの調査では、子どもたちが襲われた地域にはレジスタンス・メンバーはいなかったことがわかっている。同じ日、ベイト・ラヒアでは、放牧をしていた子どもも殺されている。

  • 7人の子どもたちがイスラエル軍の空爆で殺された。暗殺の標的とされた車のそばにたまたま立っていたことで、ミサイルを受けた。

  • 子どもを含めた2人の民間人が家をイスラエル軍によってミサイル攻撃され、殺された。

  • 侵攻してきた戦車の砲撃を受けて、3人の子どもたちが殺された。

  • 子どもと父親が仕事に向かう途中でイスラエル軍によって殺されている。

  • 女の子がイスラエル軍によって怪我を負わされ、救急車の接近を阻まれたために、大量出血で死亡した。同じように少年も殺されている。

(挙げられていたいくつかの事例のうちの数例だけを列挙)

ガザの他の地域では、28回の空爆が行われ、44発のミサイルが撃ち込まれている。その結果、33人のパレスチナ人(子ども3人と女性1人を含む)が殺され、57人ほどが負傷した(12人の子どもと6人の女性を含む)。そのうちのひとつの例では、ガザ市でひとつの家にミサイルが撃ち込まれ、一家のうち6人が殺され(女性が3人)、子ども4人を含む他の8人が負傷した。

ガザへの攻撃で12の民間設備が破壊されている。その中には、辞任したパレスチナ首相のオフィスや、パレスチナ貿易組合連合の本部、パレスチナ評議会議員のオフィスなどがある。3つの家が完全に壊され、70ほどの家屋が損壊し、90ドゥナムの土地がジャバリヤで削り取られた。

西岸ではイスラエル軍に子ども1人を含む3人が殺され、入植者に1人が殺された。11人の子どもを含む29人がイスラエル軍によって負傷させられた。急襲は45回行われ、65人の民間人が連行されている(検問所で捕まった人は3人)。また、2軒の家が軍事ポストにされてしまった。


だいぶ簡略化してみて、こんな感じだ。本当はひとり一人のケースに、みな、特別のストーリーがあるはずなのだが、あまりにも数が多くて、こういう形でしかレポートが出てこない(これは28日からのレポートなので、26日からの死者数を足すと、120人は超えている)。

殺された人々、負傷した人々がほとんど数だけになってしまっていることが胸を締めつける。そのうえ、その数すら、それほど世界では気にされることもない

このように見捨てられていることが、パレスチナからの暴力を誘発する(といっても、イスラエル軍の軍事力とは比べものにならないのだけれど)。

ライスは今週木曜くらいから和平交渉が再開されると語った。ブッシュは年内に和平合意が取り交わされることに楽観的だと言った。どこの惑星の話だろう? 彼らの御伽話のなかでは、ガザの人々は存在しないに等しい。イスラエルがエルサレム乱射事件を受けて、次に何をするか、非常に気になる。

このエントリに関連する記事へのリンク

(日本語化を全然できなくて、ごめんなさい)

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憤り

コメント by :yasmin

エルサレム乱射事件とパレスチナの犠牲者…こんなにもメディアの扱い方が違うことに、それを気づかせない報道の仕方に、憤りを感じます。
一般のメディアでなかなか流れない情報をこのように載せて、知らせてくださる方がいることだけでも少しは憤りがやわらぎます。

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2008.03.09 (Sun) 11:56

転載させていただきます

コメント by :huwawatanpopo

転載させていただきます。

本当に 怒りに堪えないです。

こういうブログがあるのはありがたいです。

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2008.03.09 (Sun) 19:25

どうしても……

コメント by :ビー

怒りが湧き出てきてしまうんですよね、こんなにも扱われ方に差があると……。レイシズムもあるなぁと感じます。しかし、そうしている当人たちには自覚はないんでしょう。>yasminさん、>huwawatanpopoさん。

転載はどうぞなさってください。出典がついていればかまいません。少しでも本当に起こっていることが広まりますように。

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2008.03.10 (Mon) 20:48

救済機を!

コメント by :田仁

恐らく、野党と民間で、難民救済目的の航空機を飛ばすのが一番、時宜にあった救援策と思う。
米国べったりの政府は動くまい。
只、米国の民間NGOは今マサに同じ事を考えてるのではないか?
出来る限り、救える人を救う事だ。
生きていれば何とか再起の方法はある。

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2008.03.11 (Tue) 16:00

皆さんに同感です

コメント by :パレナビファン

「ユダヤ人が死ねば、国連挙げて大騒ぎ。パレスチナ人は何百人殺されても構わない」・・・・こんな、「原始人」が見たって驚く様な、露骨で言語道断な差別が、21世紀の世の中で、大手を振って行われているなど、人類史の恥辱です。もしも「神・仏」と言った存在が居るとしたら、人類は顔向けのしようが無いでしょう。イイスラエルの政治家達の、最近の発言「ガザをホロコーストにかけるぞ」「道徳の説教など無用」等・・・・最早「受難の民・虐殺の被害者」と言う唯一の金看板さえかなぐり捨て、「俺達はナチスラエルだ」と開き直っている様な感さえ有ります。そのイスラエルを一方的に支持するアメリカ、そのアメリカに貢ぎ続ける日本・・・私の知人が「日本はアメリカに乗っ取られている。そしてアメリカはイスラエルに乗っ取られている」と言っていました。あながちデタラメとも思えません。日本人は、巡り巡って、パレスチナの人達への加害者になっている、と思うと、惨めな気持ちで堪りません。どんなに些細な事であれ、出来る事をして行こうと思います。ビー様、この掲示板の常連の皆様。これからも色々教えて下さい。ビー様の健闘を祈ります。

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2008.03.13 (Thu) 20:58

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