2007.09.19
パレスチナの様子がわからない……
私はこのブログで、マスメディアが伝えないパレスチナの情報をできる限り伝えようとしてきた(それが不十分であったとしても…)。だが、このところ、書けることが少なくなってきたと感じていて、正直、困っている。パレスチナ占領地で起こっていることがあまり正確にわからない、占領地に住む人たちの「生の」声が届いてこない(とくに西岸からは…)。
ファタハとハマスの二極化状態に見えるなかで、行き先の不透明さから、また、現在の不安定さから、何を発信していくべきなのかということがパレスチナ人にとっても不明瞭になっているのではないか?という気がする。
それでも、ほぼ連日、何かしら事件は起きている。非常に短い記事だけが配信されていて、後追いの情報もないことが多いので、困ってしまうのだが……。
たとえば、17日(月)にはラマッラーで16歳の少年がイスラエル軍によって射殺されている。
イスラエル軍の侵攻に対して、ラマッラーでは少年たちが投石していて、そこにいた16歳のムハンマド・ジャバリーンさんがイスラエル軍に撃たれた。
目撃者と医療関係者の証言によると、イスラエル軍は救急車の接近を阻止しただけでなく、重傷を負ったムハンマドさんに救急手当をしようとした医療ボランティアも追い払ってしまった。ムハンマド少年は出血を続けて、死亡したという。
イスラエル軍報道官は「イスラエル軍は武装したパレスチナ人を監視していて、それを標的にした」と発表しているが、イスラエルのハアレツ紙でも少年は武装していなかったというパレスチナ側の証言が紹介されている。
この日には13人のパレスチナ人が西岸でイスラエル軍に連行されている。
( Israeli forces kill 16-year-old boy in Ramallah 、 IDF troops operating in the West Bank kill 16-year-old Palestinian より)
18日には明け方からナブルスのエル・アイン難民キャンプに対して、イスラエル軍の大規模な急襲があり、イスラエル軍はキャンプを包囲し、家と家の間の壁を壊しながら捜索を行ったり、また、パレスチナ人を「人間の盾」にした。この急襲のなかでイスラエル兵士1人が殺されている(詳細不明)。また、自宅の窓から様子を見ていた18歳のムハンマド・ハリード・リダさんがイスラエル軍のスナイパーによって撃ち殺された。イスラエル軍はキャンプに救急車を入れることを拒否したとナブルスの医療救急サービスのハムダン医師は語っている。[記事の時点で攻撃は続いていて、その後の経過はまだ入ってきていない]
( One Palestinian and one Israeli soldier reported killed in Nablus invasion より)
西岸ではほぼ連日イスラエル軍による連行が行われ、また、ファタハ系の治安予防部隊によるハマス関係者の連行も時折行われている。そんな中で西岸の人々がどんな思いを抱いているのか、それが知りたい。
ガザからは物価が高騰し、また、収入が乏しいために、断食月(ラマダーン)でも多くの人が必要なものが買えない状況になっているというレポートが入っている。そのタイトルは A bankrupt Ramadan in Gaza (ガザの破産したラマダーン)。ものが売れない、買えない状況は「破滅的だ」という。その状況を放置しているアッバス大統領に対する不満の声が多く出ている。
ガザの状況については OCHA warns of determination of humanitarian conditions in the Gaza Strip にも。[最低限のモノの供給をガザに行うべきだと、国連の人道問題調整事務所が警告]
その他の気になるニュース
- Israeli soldiers prosecute the director of "Jenin Jenin" movie ……2002年のイスラエル軍によるジェニン虐殺の証言ドキュメンタリーを撮ったイスラエルのパレスチナ人俳優、ムハンマド・バクリィが兵士たちから訴えられる。
- Study: 60% of immigrant youths don't identify themselves as Israeli ……旧ソ連から移住してきた人々(の子どもたち)のうち、6割もが自分をイスラエル人と認識していないとの調査。[イスラエルでネオナチ・グループが逮捕されたこととも関係がある調査。移住してきた人々が低所得で、学校をドロップアウトする率も高いことが示されている]
新しい記事へ → 「わしは盗人にはなりたくない」 ヨルダン渓谷からの住人排除
[東京]映画会議「サブラー・シャティーラーのキャンプ虐殺から25年---加害者による証言映像をめぐって」9・24 ← 古い記事へ
■ コメント&トラックバック (4 件)
いつもありがとうございます
コメント by :koi
ここまでパレスチナの現状を紹介しているサイトというのはそれほどありません。
ビーさんのご尽力には本当に本当に敬意を表するものです。
パレスチナ解放闘争に関して、アッバスなど闘いの原則を裏切る連中をどうしたらいいのか、というパレスチナの民衆の悩みは本当に深いものだと思っています。
たとえ少数でも原則に立ちきって闘いぬかんとしている部分は確実にいるわけなのであって、そういった人たちと連帯していかなければならないと、いつもいつも思っています。
2007.09.21 (Fri) 10:41
いつもありがとうございます
コメント by :koi
ここまでパレスチナの現状を紹介しているサイトというのはそれほどありません。
ビーさんのご尽力には本当に本当に敬意を表するものです。
パレスチナ解放闘争に関して、アッバスなど闘いの原則を裏切る連中をどうしたらいいのか、というパレスチナの民衆の悩みは本当に深いものだと思っています。
たとえ少数でも原則に立ちきって闘いぬかんとしている部分は確実にいるわけなのであって、そういった人たちと連帯していかなければならないと、いつもいつも思っています。
2007.09.21 (Fri) 10:41
大変助かっています
コメント by :ぶんぶん
日本語の情報として,ここまで詳しく,そして分かりやすい言葉で,パレスチナ人のことを発信しているサイトは,ほとんどないと思います。欧米(主にアメリカ)に情報源を頼り切った報道や,支援NGOの偽善的なサイトには,もう疲れていますから。「現地に行けば何かがわかるだろう」という安直な発想で中東に行く日本人も多い最近ですが,はっきり言えば,現地の人間には迷惑です。そういう日本人のために危険な立場に追いやられることもあります。ビーさんのように,日本にいて,世界中の苦しむ人々の情報を伝えることができることを,示してくれる存在は,とても大切です。ありがとうございます。
2007.09.24 (Mon) 22:52



ありがとうございます
コメント by :あやこ
パレスチナの現状ニュースの欠如にも関わらず、少しでもニュースを伝えていただいて有難うございます。
イギリスの新聞でも、細かい事は取り上げられておらず、自分で探さないとパレスチナで何が起こっているのかというのは殆ど分かりません。
最近みたドキュメンタリー、Death in Gazaでもイスラエル軍のブルドーザーめがけて投石しているパレスチナの子供たちの映像がありました。投石で、プルドーザーがダメージを受けるわけでもないのに、なぜ発砲するのでしょうか? 威嚇といえども、これで何人もの子供たちが殺されていますね。
トラックバック from:
2007.09.19 (Wed) 19:13