2007.08.02
陰謀論か真実か ダハラン、エジプトでのホテル爆破に関与
先日「健康上の理由」という名目でパレスチナ自治政府の治安トップを辞任し、実質的には海外亡命の状態となったファタハのダハランが、イスラエルの諜報機関と共謀を続けてきて、ガザ内紛も作り出したというのは、いまや多くのところで書かれ、語られていることでほとんど疑問の余地がない。
だが、次のような文章に行き当たって、我が目を疑ってしまった。
「2004年10月の[エジプトの]タバへの攻撃から始まったシナイ半島の観光地への忌まわしい攻撃に、辞任した自治政府治安トップのムハンマド・ダハランが直接的に関係していたことをハマスが明らかにして……」
( Political obfuscation and stranded Palestinians in Egypt [Serene Assir, The Electronic Intifada, 1 August 2007]より)
ヒルトンなどのホテルで大爆破が起き、イスラエル人など34人が死亡したのがタバの事件で、2005年に同じエジプトのリゾート地、シャルムエルシェイクで起きた連続自爆事件では80人以上が死亡している。これらの事件は、アルカイダ系の組織によるテロだとされてきた。これになぜ、ファタハのダハランが絡むのだろう?
同じ記事にはこうある。
「タバやシャルムエルシェイクでの殺戮の後、エジプト治安部門による大量な逮捕作戦が行われ、その標的のほとんどはベドウィンだった。しかし、爆破事件以来、エジプトの政治評論家や治安関係筋から、ベドウィンたちが原因であるとするのを疑問視する声があがり、イスラエルが攻撃を画策したのではないかと推量もされた。……」
[軍の高官が「イスラエルがどういう形でか関係していると信じる」とエジプト有力紙に語ったりしていたようだ。]
……「実際に、イスラエル諜報機関への協力を広く知られているダハランと爆破事件が結びつく文書をハマスがエジプト当局に渡したことで、イスラエルがどのように関係していたかという疑問は、少なくとも部分的に解決した。
『この暴露によって誰が有罪で、誰が無実だったか、適切な再調査の必要性が生まれた』と軍事専門家は語っている。」
エジプトでのリゾート爆破事件では、謎が多く、あやふやなまま、「犯人」らしき人々が拘束され、真相はよくわからないままになっていた。しかし、これだけ読んでも、ダハランがどう関係するのかわからない。
そこで、西側のメディアが一切とりあげなかったハマスの暴露文書をとりあげたエジプトの新聞記事を探してみた。英語で私が捜し出せたのは、 Egyptian paper: Documents show Dahlan was working with AlQaeda with the idea of blaming trouble on Hamas という[Uruknet info]の記事に引かれたエジプト紙 Al-Masriyounの記事で、そこには信じがたいことが山と書かれていた。
リゾート爆破に関しては、ハマスが関連していると見せかけて、ハマスとエジプトの関係を悪化させるために、ダハランがイスラエルの諜報機関との協力の下に、シナイ半島のベドウィンたちを脅し、扇動して、巻き込んでやらせた(麻薬の密輸もさせている)。これにはさらにエジプトの観光に打撃を与え、イスラエルの観光業を利する狙いもあったという。[しかし、そのリゾート爆破では多くのイスラエル人がエジプトに遊びに行っていて、犠牲となっている]
それだけではなく、ダハランはエジプトを含むアラブ諸国にかなりの数のファタハメンバーを送り込み、そこで得た情報をイスラエルのモサドや米国のCIAにも渡していたことを、ハマスが暴露した文書は示しているという。
また、文書はダハランがヤシン師やランティシ師などのハマス指導者たちの暗殺に関係したことも示しているという。
*
[この文書はガザを掌握したハマスが、ダハランなどが逃げ去った後の自治政府ビルからみつけだしたもので、 Overcoming the conspiracy against Palestine でもその写真が見られる。そちらに示されているのは、ダハランがイスラエルの元モファズ国防相に宛てた「忠誠」を誓ったような手紙で、アラファトを始末すると読めるような内容が書かれている。 もちろん、ハマスが突きつけたこの文書類の内容をファタハは完全否定していて、西側の主要メディアもまったく触れないでいる。 これらの真相が完全に明らかにされるには、おそらくイスラエルの機密文書が公開されるまで待たないとならないので、すぐに真偽はわからないが、どこかでポロポロと真実の断片が出てくるかもしれない。このような可能性があるかもしれないと思っておいてもいい]
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たぶん
コメント by :ぶんぶん
ハマスとしては「自分達は常に正しい」という信念があるから,相手が同じパレスチナ人だということはさておいて,「曲がったことは嫌いだ」と,徹底的にたたいてしまったんでしょうね。それが,かえって自分達の立場をすごく不利にしてるんですけど。ファタハで私腹を肥やしてきた人なら,このぐらいやると思いますけど。
2007.08.03 (Fri) 23:41



あかんなあ、泥仕合!
コメント by :ダルヴィーシュ見習い
可能性は否定できないけれど、こういうことを始めると、泥仕合になるんで・・・徹底的にファタハとイスラエルの癒着を暴こうというところかなあ。しかし、やるならイスラエルのほうを徹底的にやって欲しい。こういうことになってくると、アメリカやイスラエルにもファタハ寄り、ハマス寄りと出てくる可能性もあるでしょう。錯綜しきったなか、パレスチナとして優位に立てるといいんだけど、そこまでしたたかに戦略できるかなあ。
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2007.08.03 (Fri) 08:08