2007.07.26

アッバス警備隊の狼藉 ほか

西岸でアッバスの警備隊がマルワン・バルグーティの家族を襲ったというニュースが入ってきた。よくわからないのは、マルワン・バルグーティは獄中にいるとはいえファタハの重鎮なわけで、なぜそのようなことが起こったのか、はっきりしていない。

ことの起こりは、マルワン・バルグーティの娘、ルバさんが大学から家に帰る途中、アッバスの警備隊(presidential guards)に車を止められ、捜索を受けたことだった。なぜ、車を止められたのかはわかっていない。ルバさんは母親に電話をかけ、叔父や兄弟、他の親戚などが現場に駆けつけた。

やってきた親族にたいして、警備隊員は銃を突きつけ、撃つと脅し、ルバさんの兄弟カッサムさんに襲いかかった。警備隊員らは銃床でカッサムさんを殴り、地面に叩きつけて蹴ったということだ。数人の通りがかりの人たちがこれを止めようとしたが、警備隊員に背中を殴られた。

マルワン・バルグーティはファタハ系アルアクサー団の設立者のひとりで、イスラエルに捕らえられ、終身刑数回分の判決を受けている。マルワンはパレスチナ統一政府の結成を呼びかけた「囚人たちの文書」(prisoner's document)の主な起草者のひとりだった。

マルワンの一家は今まで数知れずイスラエル軍からの嫌がらせを受けてきた(家を占拠されるなど)が、今回がパレスチナ治安部隊(警備隊)から受けた初めての暴力になる。

Palestinian security forces assault family of jailed leader Marwan Barghouthi より)

[訳のわかっていない警備隊員が、とくに背後関係もなく引き起こしたことだとしたら、この暴力のふるい方はどうしたものか。権力をかさに行きすぎていないかと思う。しかし、何らかの意図があって行われたことだとも考えられる。獄中のマルワン・バルグーティが今のファタハをどう捉えているかはわからないが、家族に危害を加えるそぶりで、口を出すなというシグナルを送っているとも考えられる。憶測を呼ぶ事件だ]

こちらはもっとわかりやすい事件。ベツレヘムでパレスチナ治安部隊(アッバス側)がハマスの支持者を13人逮捕したと24日(火)に発表した。こちらは正確に言うと、ハマスと密接な「エグゼクティブ・フォース」(executive force)のメンバーだったことが逮捕の要因だという。エグゼクティブ・フォースは、ハマスがガザを掌握して以来、アッバス議長によって、違法とされていた。

Palestinian Authority arrests 13 Hamas supporters in Bethlehem より)

ナブルスのアン・ナジャー大学では ファタハとハマスの支持者同士が衝突 する事件も24日に起きている。イスラエル軍にナブルスにおけるハマスの指導者が連行されたことに抗議をしていたハマス支持者の学生たちに、ファタハ支持者が襲いかかったのが発端だという。3人の学生が負傷して、大学はエスカレートを心配した当局によって封鎖された。ナジャー大学では政治的な活動をこの学期は禁止するとしていたということで、ハマス支持者の学生たちがそれを破ったので、ファタハ支持者の学生たちは襲いかかったという。

いっぽう、ガザではイスラエル軍のミサイルが24日の昼間、ガザ市の建物に数発撃ち込まれ、子ども2人を含んだ5人の市民が中程度の怪我を負った。

このミサイル攻撃はイスラーム聖戦系のアルクッズ団のメンバーを狙ったものだとされ、メンバーが乗っていた車も損傷を受けたが、大きな被害はその近くにあった建物の最上階が破壊される形で出た。この三階建ての建物の屋根には大きな穴があいたという。

Israeli airstrike leaves five Palestinians, including children, injured in Gaza City より)

[イスラエルは、ハマスのハニヤ(元)首相を含めた幹部を含めた暗殺を行うと仄めかしていたが、これがそういうものの一連なのかどうかはわからない。はっきりしているのは、暗殺攻撃自体も違法なら、巻き添えになる人も作り出すことだ。今回も標的をはずれ、民間人だけが負傷をしている]

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■ コメント&トラックバック (1 件)

誰も望んではいないんです

コメント by :ぶんぶん

   残念なことですが,こうなることは,パレスチナ人や,その家族には分かっていたことです。
   先日,イスラエルがアッバスとの交渉で政治犯や囚人を釈放した,と大きなニュースになりましたが,夫や,少なくとも彼が今いるレバノンの難民キャンプの人々は,「やらせだ」と思っています。「どこにもパレスチナ人の知っているリーダーがいない」と,レバノンで,テレビのニュースを見た夫は言っていました。
   ハマスは,結果的にはアメリカの制裁の口実にされてしまいましたが,パレスチナに住むパレスチナ人が選んだ政府でした。ですが,アッバスは,「パレスチナ人が選びたくなかったから選ばなかった」大統領です。
   あの時は,獄中にいるバルグーディが一番人気でした。選挙の前から人々がバルグーディを支持していたので,選挙の話になる前に,選挙に出られないようにするために,イスラエルに引き渡されました。
   誰も,アッバスを望みません。そして,誰も闘争は望みません。みんな平和が欲しいのです。大学での対立も,扇動する人間が紛れ込んでいたと思います。よくあることですから。
   パレスチナ人は平和を望んでいるのですが,外部が作った情報で,まるで野蛮な生き物のようなイメージをもたれています。でも,普通ののんきな人達なんです。

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2007.07.28 (Sat) 21:37