2007.05.31
パレスチナ、ぐるぐるとスパイラル
侵攻、連行、暗殺、(手製ロケット弾発射)、侵攻、連行、暗殺…とパレスチナで起きていることは悪夢のようにエンドレスリピートになっていると見えて、どう書いたらいいのか、わからなくなってしまった。
ほんとうはそこには傷つけられた一人ひとりの取り替えのきかない人生があり、すべてが違う一瞬のはずなのだが、報道で遠くから見るパレスチナは、ぐるぐると同じ地点を回っているようにしか見えない(それも報道されてのことで、日本ではほとんど書かれていない)。
固有の名前が匿名性に変わり、やがて単なる数字になるところ。それに抵抗するようにここに書いていきたいと思うのだが、押し寄せる事件のなかでそれもままならなくなっていることに気づく。
暗殺があっても、誰も驚かなくなっている日常。どこも非難しなくなっている現状。そういうことが連綿と続いていて、果てしないのが占領下のパレスチナのありようだ。
それでも、起こっていることを書き留められずにはいられない思いがある。どこかで書き留めておかないと、すべてがなかったことにされそうな、そんな強迫観念が働いているのかもしれない。
徒労とほとんど紙一重だけれども、ニュースを追うこと、そのメモをすることは断続的に続けていこう。これが何になるのかとかは考えずに。
・28日〜31日までのパレスチナ
暗殺関連ニュース
- Palestinian resistance fighters escape Israeli air strike (31日付)……31日(木)、ガザ北部で人民抵抗委員会の武装グループメンバーが、イスラエル軍のミサイル攻撃に遭ったが、軽い負傷だけで難を逃れた。メンバーは手製ロケット弾をイスラエルに飛ばそうとしていたとされる。アッバス議長はロケット弾発射をやめるように説得しているが、武装グループはイスラエルがパレスチナへの攻撃を止めるまで、自分たちも手製ロケットを飛ばし続けると語っている。
- Two Palestinians killed in Nablus, several residents injured (31日付)……30日(水)の夜、ナブルスでジープに仕掛けられていた爆弾が爆発し、2人が殺され、数人が負傷した。ターゲットにされたのは、ファタハ系のアルアクサー団リーダーのひとりだったが、その人物はいなかったため、べつの住人2人が殺され、通行人数人が負傷した。何人かは重傷だと病院のドクター。近隣の住宅や商店も被害を受けた。殺されたうちのひとりは身元が確認されていない。ジープはイスラエルの協力者から送られたものだとアルアクサー団は言っているが、イスラエル当局は関係を否定している。
- Israeli drone kills two Palestinian resistance fighters in northern Gaza strip ……30日(水)の朝、ガザのジャバリヤ付近で、イスラエル軍の無人攻撃機によるミサイル攻撃があり、ハマス系の活動家2人が殺された。ほかにも数人が負傷している。
- Security officer killed and seven injured by Israeli under-cover forces in Ramallah ……29日(火)の夕方、イスラエル軍の特殊部隊は、ラマッラー中心部のレストランに侵入し、治安部隊指揮官のオマール・アブドゥル・ハリムさん(24)を殺害した。この時の攻撃でほかに7人が負傷。さらに数人が連れ去られている。また、軍は2つの病院を包囲し、捜索を行った。
- Under-cover forces assassinate a fighter in Jenin ……29日夕方、イスラエル軍の特殊部隊はジェニンに近いカフェル・ダン村で、新しくできたばかりのファタハ系武装グループ、アブ・アンマール団のメンバーを殺害した。この組織は2日前に結成されたという知らせが出たばかりだった。
侵攻と連行関連ニュース
- Israeli army closes the local vegetable market in Beta town near Nablus ( 31日付)……ナブルスに近いベタの町に30日夜、何の理由もなくイスラエル軍の侵攻があり、町は外出禁止令をしかれた。翌朝、イスラエル軍は商店主たちに野菜市場の閉鎖を「軍事封鎖地域」だとして命じた。大きな経済的打撃を受けた町はイスラエル軍と交渉しようているが、今のところ、話し合いは拒否されている。
- Israeli army invades several areas in Hebron, kidnapping 5 civilians ……30日(木)の午前中、イスラエル軍はヘブロン周辺でいくつかの作戦を遂行、家々を荒らし、パレスチナ人5人が連れ去られた。そのなかには臨時検問所で拘束された農業エンジニアもいる。
- West Bank civilians and public officials detained ……30日(水)、イスラエル軍はナブルスなどを中心に、12人の活動家を連れ去った。その中にはナブルス南部の町、カバロンの町長も含まれている。
- Soldiers open fire at the vehicle of Palestinian Information Minster ……29日(火)、ラマッラーにイスラエル軍の侵攻があった際、バルグーティ情報相の車にイスラエル兵士が発砲した。情報相は無事。
- Army kidnaps two residents form Al Thahryia and Beit Omer towns near Hebron ……29日、イスラエル軍はヘブロンに近いダハリヤとベイト・オメールから2人の民間人を連れ去った。同日、ヤッタ村でも連行があり、ヘブロン周辺で1日に6人が連行されている。
- Israeli army storms Rafah as Palestinian president calls for truce with Israel ……29日の明け方、ガザ最南端のラファにイスラエル軍がこの2週間で初めての地上攻撃をしかけ、ハマスのメンバーだと言われている2人が殺され、ほかに32歳の女性と男性2人が負傷した。軍が戦闘機などを従えて侵攻したのは、ラファの東部のソファ・クロッシングに近い地帯で、住宅に激しい銃撃を浴びせている。殺されたうちのひとり、モアマールさんの兄弟2人は連行された。
- Israeli army kidnaps 9 Palestinian civilians from Nablus, among them legislator Jamal Al Terawe ……29日の早朝、イスラエル軍はナブルスのバラータ難民キャンプに侵攻し、数軒の家に大きなダメージを与えてから9人の民間人を連れ去った。その中にはファタハ出身の評議員、ジャマル・アルタラウェ氏が含まれている。前の週以来、連れ去られた評議員、役人は40人以上にのぼる。
- Army injures two Palestinians and kidnaps them after surrounding a hospital in Jericho ……28日、イスラエル軍はイェリコに侵攻し、若者たちと衝突した。この衝突で重傷になった24歳と25歳の青年は市病院に運ばれたが、イスラエル軍が病院を包囲し、2人を連れ去った。ほかにイェリコでは住民1人が連れ去られている。
- Army invades a village near Bethlehem and kidnaps three civilians ……28日、ベツレヘム南部のベイト・ファジャールで、3人の民間人がイスラエル軍に連れ去られた。ひとりは評議会の役人。
- Israeli forces invade Nablus, attack women's center ……27日(日)、イスラエル軍はナブルスのジュズール女性センターに侵入し、センターからコンピュータ8台を盗み出し、センターがファイルしていた女性たちの記録ファイルも持ち出した。
その他の気になるニュース
- Israeli human right group report exposes Israeli violations in detention camps (31日付)……イスラエルの拷問に反対する委員会が刑務所(拘束センター)での人権侵害の実態をレポート。それによると、第4ジュネーヴ条約における囚人の取り扱い条項に反して、イスラエルはパレスチナ政治犯に対し、数日間も睡眠を奪うなどの肉体的拷問により尋問を行っていることが明らかになった。パレスチナのバルグーティ情報相は、イスラエルが国際法を遵守せず、法を浸食していると非難した。
- British educators to boycott Israel (31日付)……英国の大学教師組合the British University and College Union (UCU)は、30日、イスラエルのアカデミック機関に対するボイコットを決定した。これは占領下のパレスチナでパレスチナ人学生・研究者たちが、イスラエルによる人権侵害のために、通常の教育・研究を行えないことに対して行われている。
- Settler fires rounds of live ammunition at Arabic houses in the Negev ……28日(月)の夕方、イスラエル領内ネゲヴ砂漠のアラブ系住民が住む「非公認」村で、ユダヤ人入植者がアラブ人の家に実弾を発砲した。被害を受けたのはアティール村で、数軒の家がダメージを受けた。負傷者はいない。このとき、村の青年が入植者につかみかかり、銃をとりあげ、後に銃は警察に引き渡されている。入植者は発砲を否定している。
- Israeli minister: an international peacekeeping force in Gaza is possible (29日付)……28日(月)、イスラエルの閣僚、ラフィ・エイタン氏は、ガザに国際平和維持部隊を置くことをひとつの可能性として示した。この平和維持部隊の派遣についてはEUのソラーナ外交担当も検討を示唆している。


