2007.05.11

[memo]尾身財務大臣、「温暖化対策で原発推進」@ADB総会

ADB(アジア開発銀行)総会の場で、尾身財務大臣が原発推進を持ち出したことは他の参加者から聞いていた。(ついでに京都議定書からの離脱とまでは行かなくても、議定書を守る気がないないようなことも言ったと聞いた)。が、自分自身で聞いたわけではなく、どこにも載っていなかったので、ちょっと探してみようと思っていたら、[壊れる前に…]経由で、京都新聞が記事にしていることを知った。(というか、報じたのは京都新聞のみ?)

「京都市で開かれたアジア開発銀行(ADB)年次総会で議長を務めた尾身幸次財務相が、地球温暖化対策として原発の推進を訴えたことに、7日波紋が広がった。途上国の温暖化対策として原発立地を支援することは京都議定書などで認められておらず、原発に否定的な環境保護団体だけでなく、原発に消極的な欧州の参加者からも当惑の声が出ている。

(中略)

現在、国連の気候変動枠組み条約と京都議定書は、原発を各国の国内対策としては認めており、日本も京都議定書の「目標達成計画」に原発立地を盛り込んでいる。しかし、先進国と途上国が協力して進める温暖化対策の手段としては認めておらず、ADBも原発建設には融資していない。

 尾身財務相の発言について「『原発支援を行うべき』とADBに注文を付けたわけではない」(財務省広報室)としているが、日本は最大出資国だけに、日本やADBの将来的な方針転換を示唆したものと一部で受け止められている。 」

京都新聞8日付 より)

私が出席したADB総会のセミナーでも経団連の人がパネリストとしてひとり原発推進について語っていたもんなぁ(他の外国人のパネリストたちは聞かなかったような顔をしていたぞ)。「やはり、こう来たか?!」という感じがする。

グリーンピース・ジャパンの星川淳事務局長は、総会最終日の記者会見で、「途上国支援に原発を絡めてはならない」、「ADBで1度も取り上げられたことがない原発に議長が言及した意味は重大」、「京都議定書の採択地で、世界の合意をないがしろにするような提案をしたのは暴挙だ。ほかのADB出資国からの同意も得られない」と批判を行ったという。

しかし、日本の財界ともども政府は、原発のアジア輸出をどんどん図っていくほうに持っていきたいに違いない。アジアのあちこちにまで、最大の環境破壊となりうる原発が乱立?

ここの8日付エントリ にも私は、尾身大臣のADB総会での発言をとりあげて、

「この構想では、120億円の拠出のほか、日本の国際協力銀行を通じ、「環境」と「投資」両分野に対し、今後5年間で総額20億ドル(約2400億円)規模の円借款を行うことも予定しているとか。(ここでいう「環境」もどういう内容なのか、精査する必要がある)」

と書いたばかりだった。この円借款には注目していったほうがよいみたい。何をしようとしているのだろうか。


英語でもこのことを取り上げた記事があったので、貼っておこう。

「On the penultimate day of the ADB's meeting, however, things began to fall apart. The Bank's Board Chair Koji Omi, also Japan's Finance Minister, was pushing nuclear energy as a solution to climate change as well as disgracefully dissing the Kyoto Protocol - the only show in town when it comes to giving us a sustainable future.」

The Asian Destruction Bank? より)

*少しでも長いこと読めるように 京都新聞の上記の記事キャッシュ

**原子力発電が地球温暖化にとって救世主とはなりえない理由は 「地球温暖化問題と原子力の関わりについての公開質問状」(ラブロック博士宛) [グリーンピース・ジャパン]に簡潔に、わかりやすく書かれている。そのまま、日本政府への質問状にもなる内容。

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■ コメント&トラックバック (2 件)

一昨年(議定書発効直後)の

コメント by :石黒

タウンミーティング(小池百合子環境大臣&中川昭一経済産業大臣)で、温暖化対策に原発はとても有効、積極的に使う、そのためには安全を云々……という話をしていました。阿呆かこいつはと重いましたが、会場内は少しでも進行の妨げになる発言があるとセキュリティが取り囲むような物々しい現場だったので、凍り付いた空気の中で脳髄が煮え立つような気分になりました。

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2007.05.12 (Sat) 01:39

Re: 一昨年(議定書発効直後)の

コメント by :ビー

>石黒さん、

「凍り付いた空気の中で脳髄が煮え立つような気分」……わかる気がします。批判の意見も封じられてしまうのでは、ミーティングではなくて、意見垂れ流しですよね。

>会場内は少しでも進行の妨げになる発言があるとセキュリティが取り囲むような物々しい現場

それにしても、「タウンミーティング」と言いながら、これではおかしいですよね。

ADB総会でも、レセプションの席で、尾身財務大臣に原発推進発言のことで質問をした人がいて、すぐにセキュリティーがすっとんできて、ろくに話ができなかったそうです。

推進するのなら、責任をもって、質問に答えていくべきだと思います。せめて上にリンクしてある公開質問状で出されているようなことには、明確に答えてほしいものですねぇ。

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2007.05.13 (Sun) 22:44