2006.10.15

パレスチナで使われた新兵器は「DIME」か?

イスラエル軍によるガザへの6月、7月の攻撃で、不審な怪我が続出して「新兵器使用の可能性」もあることを 7月21日のエントリ で伝えていたが、この新兵器がDIMEと呼ばれる米国が開発中のものである可能性をイタリア人ジャーナリストらが発表した。

イタリア国営放送RAIのサイト などによると、ガザの医師たちが運び込まれる負傷者のうち、手足を切断しているものが多いこと(最低62例)、その切断面がのこぎりで切ったように鋭利であるにもかかわらず金属片がX線では発見できないことなどを不審に思い、国際的な検査協力を求めていたが、RAIはガザの患者から検出された粉末をイタリアのパルマ大に送り、検査の協力を求めていた。

パルマ大でこの粉末を調査したカルメラ・バッカイオ医師は超高濃縮炭素とともに、銅、アルミニウム、タングステンといった、通常では見られない金属を検出したと発表。同医師は報告書の中で、「これらの検出金属から推測して、爆弾はDIMEの可能性がある」と指摘した。

DIMEはDense Inert Metal Explosive(高密度不活性金属爆薬)の略称で、外側を炭素繊維で覆われ、その中にタングステンの粉末と爆薬が詰められているもので、表面を少ししか傷つけず、人体内部で強力な爆発を起こし、高熱によって骨などの物質を切断する。

ガザの医師たちが

「ミサイルの破片を浴びた結果、骨の回りの組織が焼かれて壊されている。この破片は体内に入ると、肝臓や腎臓、脾臓やほかの内臓を焼いて破壊する。このため、負傷者を救うことは大変困難だ。」(2006年7月)

と語り、傷口が小さいことを指摘していたことも、DIMEの特徴と一致する。

このDIME爆弾の「利点」は──支持者らによると──、「副次的被害(コラテラルダメージ)を低く押さえる」ことができて、人口稠密な場所での使用に「パーフェクト」である点だという。

アルジャジーラでもこのようにも伝えている。

「[ハアレツ紙によると]イスラエル軍の武器開発計画を指揮した経歴を持つイツハク・ベンイスラエル空軍少将はイタリア記者チームの取材に対し、「(新型爆弾の)開発目的のひとつは、周囲の者たちに被害を与えずに、狙った敵を確実に倒すことにある」と回答したという。」

しかし、今のところ公式には使われていないため違法とはなっていないこの新兵器は、主原料のタングステンの発ガン性が高く、環境にも影響を及ぼす可能性が高い。

メリーランド州の兵器放射線生物学研究所のジョン・カリニッチのチームは、ラットにタングステンの破片で傷をつける実験の結果、5ヶ月ですべてのラットが横紋筋肉腫(rhabdomyosarcoma)と呼ばれる珍しいガンになったことを「ニュー・サイエンティスト・マガジン」に発表している。

また、アリゾナ大学のガン研究者、マーク・ウィットゥン博士はタングステンと白血病の関連を懸念している。博士は「私の意見では、タングステンの軍事利用が増える前にその健康への影響をもっと研究すべきだ」と発言した。

RAIはこの調査の結果をドキュメンタリーにして、10日に放送した。

イスラエルのNGO「人権を求める医師団」は、アミール・ペレツ国防相にパレスチナ人が被った不可解な負傷の説明を求めている。


[いくら「副次的被害が小さい」と言っても、ガザで殺され、傷つけられているのは、子どもも含む多くの市民であることと、どうつじつまが合うのだろう? たとえ助かったとしても、手足を切断されただけでなく、今後の発病などの危険性も抱えていかなければならない。

またしても、パレスチナ人が実験台かという思いもむくむくと湧いてくる。なんというひどい実験なのだろうか]

ソース一覧:

追加06.11.6

東京新聞特報で報じられた記事(cash): パレスチナで未知の兵器被害 (大月啓介氏による、11.06)

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