2005.09.14
ベールシェバでの自爆実行者の身元がわかるも、謎は深まる
8月28日に ベールシェバで起きた自爆攻撃 (ガードマン2人が重傷を負った)は、実行者がわからないままになっていたが、その身元が判明したとイスラエルラジオは伝えている。
これがDNA鑑定でわかったというのだが、何だかオカシイ話なのだ。
当初、AFPはこの攻撃の責任をアルアクサー団(ファタハ系)とアルクッズ団(イスラーム聖戦系組織)が表明したと発表し、この2団体は実行者がベイト・ウマール村のアイマン・ザクジークだとした。
ところが、ザクジークの家族が当人はイスラエルに拘束されていると訴え、イスラエル当局もこれを認めて、ザクジーク説は消えた。
今回、DNA鑑定で、ヘブロン近郊アッ・ダヒリヤ村の20歳、アブドル・ハキム・クァイシーヤが実行者だと発表されたが、これを同定するために、アブドル・ハキムの家族が全員逮捕されて、釈放される前に遺伝子の採取を行われたということだ。
"Be'er Sheva Bomber identified" より
このニュースはいくつかの疑問を沸き上がらせる。
- アクサー団とアルクッズ団の責任表明は嘘だったのか?なぜ、名前が違っていたのか。(普通、このような自爆攻撃は誇りを持って行われるので、実行後は堂々と名前が発表される。本人が意志を語っているビデオが残されることも多い)
- イスラエル当局は、どうやって実行者の目星をつけたのか。家族から遺伝子を採取するにしても、実行者の目途が立たないとやりようがない。
- 実行者の青年はどの組織とつながっていたのか。それとも、単独で行ったことなのか。
家族からしてみれば、ある日から息子の姿が消え不安に苛まれていたところ──パレスチナではそれはそこそこ起こること。探しているとイスラエルに拘束されていたということがほとんど──、突然イスラエル軍が現れ、自分たちが拘束される。そのうえ、遺伝子テストを受けさせられ、それで「ハイ、自爆犯は息子さんでした」なんて言われるのだから、本当にそれを信じていいのかもわからないだろう。
これだけの材料から勝手に憶測することはできないが、訳が分からないことが多すぎる事件だとは言える。誰かがもっと調べてくれないかなぁ。武装グループが出す責任声明にもけっこういい加減なことがあるということもわかった。


