2005.07.08
入植者、パレスチナ人11人をひき逃げ 詐欺行為の挙げ句…
イスラエルの入植地撤退が迫ってきているガザで奇妙な事件が発生した。イスラエル人入植者がパレスチナ人から土地をだまして買い取ろうとした挙げ句、逃亡しようとしてパレスチナ人11人をひき逃げ、負傷させたという事件だ。そこにドイツのNGOを騙る人物なども関係していて、込み入った手口が奇妙さを際立てている。
パレスチナ人権センター(PCHR)によると、1週間前、ガザのマアニ地区の住民たちはオランダ在住でドイツ国籍の「Volcker Naneen」と名乗る人物の訪問を受けた(パスポートナンバーは1775139320)。この人物はドイツのNGOの一員で、「人道的援助」として住民たちに現金US1000ドルを配ると言った。その代わりに、住民たちのIDや名前が記されているだけの白紙にサインをすることを求め、家族たちの代表14名がそこにサインをした。
7月5日、このドイツ人の信任を受けたというイスラエル・アラブの弁護士(「Esam Hamdan」と名乗る)とイスラエル人入植者2人がジープに乗ってこの地区にやってきた。「ハムダン」弁護士はドイツのNGOからさらに金銭的援助が来ることを告げ、現金1000ドルを住民たちに配った。
それから住民個人個人に「お礼の手紙」だと言って、「ハムダン」は配った紙にサインをするように求め、14人全員がサインをした。が、一人の住民がすべての書類に目を通したいと要求したところ、ハムダンとイスラエル人ははその場から逃げ、人混みを掻き分けて、自分たちのジープに飛び乗った。
サインした紙を取り戻そうとする人々はジープに向かい、発進したジープに当たったり、ひかれたりして11人が負傷した。うち、2人は重体となっている。
しかし、人々は14通のうち12通のサインした用紙一式を取り戻すことができた。注目すべきなのは、そこにイスラエル軍が現れて、ジープが入植地に戻る道を確保し、救急車の接近を2時間にも渡って止めていたということだ。最終的に怪我の度合いがひどいことがわかると、イスラエル軍はイスラエルの救急車をこの地区に呼び出した。ひとりはイスラエルの病院に搬送され、二人はパレスチナ赤新月社の救急車に渡されてパレスチナの病院に入院した。残りの負傷者はデイルアルバラーの病院に移された。
その後でイスラエル警察が地区を訪れ、捜査を開始し、イスラエル軍兵士は住民たちが取り戻した書類を探して、家宅捜索を行った。兵士たちは押収した書類を焼き払ったが、自分自身も車に轢かれて負傷したヤヒヤ・ラウブ・アル・スムラだけは自分の取り戻した書類を手元に残すことに成功した。
その写しはパレスチナ人権センターに届けられている。3つの文章からなる5ページに渡るその書類にはこのような契約条項が書かれていた。
- この地域の住民は自分たちの土地をドイツ人とイスラエル人弁護士に売却することに同意する
- 売却から1日以内に、住人は家財を持って退去する
- 売却の値段は6900ドル
- すでに前金として1000ドルを支払い済み
パレスチナ人権センターはこの企てに衝撃を受け、外国籍の者も関与しているこの事件の調査をドイツ、オランダ政府にも求めている。
"Settler Land Scam Results in injury of 11 Palestinian civilians"
手が込み入っている割には根本的に稚拙だったりして、いったい何なのだろう?そこまでして土地を奪いたい?このマアニ地区は、イスラエルの入植地クファ・ダロームと隣り合っているという。
「援助」を騙るところなどは非常にいやらしい。
それにしても、軍や警察までこの動きに関与しているところなど、根は深いような気がする。


