2005.06.28
NGO代表パレスチナ人医師の逮捕
「突然、家に押し入られて無理矢理どこかへ連れ去られてしまう、そんな動物以下の扱いを受けることもこれで二度となくなると思いました」
これはNHKで放映された世界潮流2005「ホロコースト解放から60年」という番組でアウシュヴィッツの生き残りであるイスラエル女性がイスラエル建国のことを語った言葉だ。
「6月6日の深夜1時、エルサレムに住むDr.アフマド・マスラマーニの自宅にイスラエル軍特殊部隊が押し入った。マスマラーニ医師は子どもたちの目の前で手荒な扱いを受け、拘束されて連れ去られた。6月28日現在、氏は依然として拘束されているが、逮捕の容疑すら明らかにされていない」
この動物以下の扱いを受けたマスラマーニ医師は、パレスチナ全域で長年、医療保健活動を行っているNGO、Health Work Committees (HWC)の委員長であり、国内外で信頼を得ている人権活動家である。
マスラマーニ氏の拘留は延長され、すでに4回も法廷に出ているが、いまだに容疑の内容すら明らかにされていない。
過去に氏は16ヶ月拘束され、2003年に釈放されたということがある。今回の逮捕もその時の再現で、嫌がらせのために行われていると見られている。この不当逮捕に関しては、海外の人道支援団体、医療関係者などを中心に医師の釈放を求める運動が広がっている。
参考サイト:
"Freedom for Dr. Ahmad Maslamani"
"Global solidarity with Dr. Maslamani"
現在の「停戦」のなかで、イスラエルの刑務所に囚われていたパレスチナ400人が釈放されるという動きもあったが、実際には連日のように大量逮捕が続いていて、少しばかりの釈放人数はすぐに取り返しがつけられる状態になっている。
そして、この「逮捕された」パレスチナ人の中には、マスラマーニ医師のように容疑さえ「明かされない」人から、まったく罪状もない人から、「投石した」「デモに参加していた」「兵士に反抗的だった」「兄弟に武装活動家がいた」「イスラエルの指名手配者を家に泊めた」というような人たちまで含まれている。何もなくても、どんなことでも逮捕できると言ってもよい。
そのうえ、拘束されたパレスチナ人の90%は拷問に遭っているという調査結果も出ている。なかには起訴状に挙げられた罪を「告白」しないとレイプすると脅された子どもたちも。
セクシャル・ハラスメント、犬をつかった脅迫、暴行、医療行為の拒否など、グアンタナモと似たり寄ったりの状況がパレスチナ人の身の上には続いている。
"Report: 90% of Palestinian detainees were Tortured"
突然「連れ去られる」ことも含めて、これは確かに動物以下の扱いだ。人間にあるはずの人権も何も認められていないのだから。



ありがとうございます
コメント by :56
ビーさま、
唐突な書き込みにもかかわらず、コンパクトで要点を書きつくした記事にまでまとめていただいて、ほんとうに感謝・感動しています。
アフマド・マスラマーニ医師は、参考サイト内にある写真のように、とても生真面目な風貌で、医療関係者だけでなく、占領地内外の人々といつも打ち合わせや会議をこなしておられます。
5月にアル・ビレにあるHWC事務所で別れる際には、カランディア(チェックポイント)や国境ー出国で問題が生じた際にはすぐに携帯電話に連絡せよと心遣いをいただき、またアンマンのパレスチナ人の友人宛に「順調に占領と闘っている」との伝言を託されました。
今もその時の姿、声が頭の中に鮮明に残っています。毅然とした方で、簡単に挫けるような人ではなく、それだけに心配がつのります。もちろん彼だけにふりかかっている問題ではなく、占領下のパレスチナ人たちの状況そのものなのですが。
雑事に追われ、お返事が遅くなりましたが、取り急ぎお礼まで。また、ご連絡いたしますね。
トラックバック from:
2005.07.02 (Sat) 00:03