2005.01.18

クルド人父子 強制送還。この国って! [追加2]

今、私は猛烈に怒っている。遅くに帰宅して、受け取ったメールを見て、絶句した。

難民認定を求めて、国連大学前で座り込みなどを行ったクルド人のカザンキランさん父子が17日、出入国管理事務所に強制収監されたという知らせが入った。それだけでも、とんでもなくひどい話なのだが、弁護士からの収容執行停止申し立てが行われたにもかかわらず、翌18日の午後には飛行機に乗せられて、迫害(最悪の場合は殺害)の可能性のあるトルコへと強制送還されてしまったというのだ。

アハメット・カザンキランさんと、その長男のラマザンさんは、国連によってマンデート難民(国連が認める難民)として認められているにもかかわらず、日本国によって難民認定されなかったばかりか、「生きることができない国」へと追い立てられた。

マンデート難民が強制送還させられるのは初めてなのだそうだ。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、抗議を出している(そりゃ、そうだ。難民条約の精神に反し、人道的見地からも最低の行いだから)。

[追加1]UNHCRから出た抗議文を読むと、日本ではどうにもならないと判断したUNHCR、カザンキランさん一家は第3国での難民申請手続きを始めていた模様。その矢先にトルコに送還するなんて!こうなると、トルコ政府に協力した犯罪に近いように思える…

さらには残されたカザンキランさんの家族も同様に強制送還させられる危険性が高いという。

私はこの冷血な国の一員であることがとても恥ずかしい。この裁定を下した法務省はカザンキランさん一家に待ち受けている運命を請け負うことができるのだろうか。きっと、そんなことは知ったことではないと言うんだろう。

ハッキリ言うと、日本でなくて、他の国(米国や英国やオーストラリア)であれば、カザンキランさん一家はごく普通に難民認定されているにちがいない……。ご一家には「ごめんなさい」という言葉しか出てこない。が、落ち込んでいる場合じゃなくて、できることを探さないと。

残った家族を強制送還しないこと。強制送還された二人の身の安全を保障すること。家族がふたたび一緒に暮らせるように、トルコへ行かされた二人が出国する権利を保障すること。このへんを日本政府やトルコ政府に要求することはできる。そして、このような措置にたいして、抗議をすること。いろんな人に知ってもらうこと。

【トルコ大使館】
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-33-6
e-mail: embassy@turkey.jp
                 Tel: 03-3470-5131
Fax: 03-3470-5136
  http://www.turkey.jp/

【法務省】
FAX:03−3592−7393
EMAIL:webmaster@moj.go.jp  

【東京入国管理局(品川)退去強制 執行部門】
電話:03−5796−7122(直)
FAX: 03−5796−7125


[追加2]カザンキランさんらクルド難民を支援している会のウェブサイトをみつけました。こちらに父親のことを聞かされて、号泣する娘さんの姿などの写真とともに、緊急声明が掲載されています。
クルド人難民二家族を支援する会

*トルコ内のクルド人が受けてきた迫害(という言葉ではまったく足らないほどの残虐な扱い)については、松浦範子さんによる『クルディスタンを訪ねて』(新泉社)がわかりやすい。 Amazonのこの本のページ

*さらにクルド人が負ってきた歴史やクルド問題概説については中川喜与志さんによる『クルド人とクルディスタン―拒絶される民族』(南方新社)がある。 Amazonのこの本のページ

**日本の難民認定の状態や、入管の収容所の様子を私が経験者から聞いて書いた文章: 「ひとつの地獄からもう一つの地獄:日本へ」

*** アムネスティが出した抗議声明

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■ コメント&トラックバック (2 件)

怒り爆発ですよね。

コメント by :さくら

私もこのニュースにはびっくりしています。
イラクに派兵している場合じゃないデショ!
ぜんぜん国際社会と波長あわせていないし。
それはそうと、ビーさんの日記で最近ドルーズのこと知って、すごくショックをうけています。
何も知らなかった自分の無知も含めて。シオニズム問題ってかなり複雑だと思っていましたが、思った以上に複雑で、私の少ない脳みそはちょっと複雑さにパニックを起こしかけています。
うさこちゃんは元気ですか?

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2005.01.19 (Wed) 16:52

ドルーズのこと

コメント by :ビー

あぁ、うさこのこと、すっかり忘れていました。スネているかもしれません。旧P-naviにいるとは思うのですが。

ドルーズについては、パレスチナ・オリーブのサイトにとても詳しい文章(の翻訳)が出されました。ちゃんと紹介するつもりでいます。(今、ちょっとそれをするだけの力量がないのですんません)

シオニズムの「奥深さ」(?)には私もいつも目眩がします。でも、日本も人のことを言えたもんじゃないですね……それを再確認するカザンキランさんの事件です。

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2005.01.20 (Thu) 01:51