2004.11.30
ラファで少女に銃弾を浴びせた兵士の責任
10月5日にガザ南部のラファで、登校途中だったイマン・アル・ハムスさん(13歳)がイスラエル軍によって撃ち殺された事件は、イマンさんが撃たれて倒れた後に近寄った師団の上官が10数発も銃弾を彼女に浴びせたとする下士官たちの告発*によって注目を浴びていた。
下士官たちの告発と上官自身の証言が食い違っていたが、この度、イスラエル軍警察はこの上官が弾倉を空になるまで少女に銃弾を撃ち込んだことを認め、この上官を偽証罪と武器の「不正な使用」によって告発した。
だが、イスラエルの人権団体「ブツレム」はこの告発自体の欺瞞性を主張し、すべてのパレスチナ民間人殺害に対する兵士の罪を問うように求めるアピールを出した。
「彼女(イマン)の死は特別なことではない。このケースが特別なのは、告訴に至った軍警察の調査をイスラエル国防軍が行ったことだ」
これはブツレムが24日に出した Israeli rights group: "Trigger-happy attitude among Israeli soldiers" からの一節で、ほとんどのパレスチナ民間人殺害はなんのおとがめもなく放置されていることを指摘している。
ブツレムのデータによると、第2次インティファーダ勃発以来、戦闘に参加していないで殺されたパレスチナ人の数は最低1656人、そのうち子ども(未成年)は529人にのぼるという。
これらの死の大半は「交戦ルールが変わり、兵士が危険な状態に晒されていなくても銃撃できるようになった」ことがもたらしたとブツレムは訴えている。
だが、元兵士たちの証言では「交戦ルールなんてあったもんじゃなかった」「催涙弾のようなものを投げようとした子どもは足を撃つようにという規則があったが、実際は頭や上半身を撃つのは普通になっていて、誰も何も問われなかった」というものがいくつも現れている。
軍において「誰も罪に問われない」という問題はブツレムも指摘している。過去4年間にパレスチナ人に対する殺害、傷害でイスラエル軍が捜査を行ったのは89件、そのうち告訴されたのは22件であり、有罪が下されたのはたった1件**だとブツレムは書いている。
(**この1件とはもしかして、次のケースのことなのだろうか? 「これぞスケープゴート パレスチナ人を殴って懲役」 または、英国人トム・ハンドールさんを殺害した兵士が有罪になっていることを指すのか。)
このように「罪を問われない」風土が兵士たちの《やたら撃ちたがる(trigger-happy)》態度を加速させているとブツレムは批判し、政府に対してパレスチナ人への無差別の発砲許可を取り下げ、すべての「敵意のない」パレスチナ人の殺害について調査を開始するよう求めている。同様の内容はブツレムとイスラエルの人権協会が高裁に訴えているが、判決はまだ出ていないということだ。
以上、ブツレムのレポートは以下のサイトに。(殺されたイマンさんの遺体に駆け寄り、取り乱す身内の女性の写真が掲載されている)
Israeli rights group: "Trigger-happy attitude among Israeli soldiers"
* 「ラファでの少女銃殺で、下士官たち上官を訴える」 (2004.10.13)


