2006.05.07

新しいナブルス通信 『ガーダ パレスチナの詩』公開! 

新しいナブルス通信が先ほど出ました。メールマガジンを取っていない方のためにウェブ版を。映画『ガーダ パレスチナの詩』の紹介文を書いています。

**以下、転送を歓迎します**

○○○ナブルス通信 2006.5.8号○○○
『ガーダ パレスチナの詩』公開!
http://www.onweb.to/palestine/
 Information on Palestine
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──『ガーダ パレスチナの詩』公開記念──

◇編集者ビーより 5月を迎えて

5月、花みずきがみずみずしく咲き、木々の緑がずんずんと濃さを増していく爽やかな季節。しかし、毎年のようにパレスチナでは、悲嘆の度合いが高まる季節です。今年はユダヤ歴の関係でイスラエルではすでに「建国58年」のお祝いが始まりました*。

[*…… 「イスラエル独立記念日」=「パレスチナ・ナクバの日」 (パレスチナ情報センター・Hot topicsに早尾貴紀さんによる文章が発表されています。]

パレスチナ人たちが追い立てられ、離散したまま、58年になったということです。パレスチナ人たちが「ナクバ」(大破局、大災厄)と呼ぶこの時期、今年は世界中でパレスチナの催しが行われることになりました。

昨年、パリを中心にフランスで行われた「マルハバ(こんにちわ)パレスチナ」月間が世界に広げられたものです。フランスでは、毎日毎夜、どこかのカフェ、レストラン、劇場でパレスチナ関係の催し(詩の朗読会や、音楽、映画、トークセッションなど)が行われました。それを世界中でやろうというのです。期間は5月15日〜6月15日。

ますます先が見えなくなっているパレスチナに、「政治」の世界が放り出しているパレスチナに、もっと多くの人々が出会うことを願って、様々なグループが動き出しています(日本でもこれに呼応して、いくつもの催しが行われるようです。)

この時期にふさわしい映画が、そして公開が待たれていた映画が公開にこぎつけました。パレスチナに10数年通い続け、とくに女性や子どもたちに視点を合わせてきた、フォトジャーナリスト・古居みずえさんの初監督作品『ガーダ パレスチナの詩』です。

主人公ガーダの写真
「主人公のガーダ」

私は幸運にも先行上映を見させていただきました。昨年の『ルート181』、『アルナの子どもたち』(これは今年劇場公開)に続いて、本当に人に見てもらいたいと思う映画です。ネタバレになりすぎないように、紹介文を書きます。ぜひ、お近くの方は足をお運びください。また、そのことにより、全国各地での劇場公開につながるように願っています。


◇Information 緊急!(関西周辺の方へ)

『ガーダ パレスチナの詩』の先行上映が、5月10日(水)関西プレミア上映会という形で、開かれます。主演のガーダさん来日は無理になってしまったようなのですが、古居みずえ監督のほかに、ジャーナリスト綿井健陽さん(『Little Birds』監督)も駆けつけ、トークがあるということです。

  • 5月10日(水)
  • 開場:18:00 / 開演:18:30
  • ドーンセンター7Fホール (天満橋駅1番出口東350m)
  • ◎主催:シネ・ヌーヴォ 06-6582-1416
  • (チケットは通常ロードショーと同じく、前売り1400円、当日1700円)
  • 詳細情報(ガーダブログ)

◇『ガーダ パレスチナの詩』 勝手に書く紹介文

──女性たちの生の抵抗  ビー・カミムーラ(ナブルス通信編集部)

パレスチナを表象するものといえば、「自爆テロ」とか「覆面をして銃を持つギラギラした男たち」とか「石を投げる青少年」、そして軍事作戦、壊された家、引き抜かれた木々。こういうものばかりがメディアを飾り、占領のなかに置かれた生活──子どもを生み、ご飯を食べ、生活の糧を得る、日々を楽しむ(楽しめない場合も多いけれど……)というごく当たり前の生活──に光が当たることはなかった。

ガザとなるとこの表象に「貧困」と「イスラム原理主義の牙城」のようなものさえ付け加わる。実際、ガザは西岸と比べると保守的な土地*で、失業率も非常に高い。また、その難民キャンプは世界一の人口密度となっているところもある。

映画の主人公ガーダも難民キャンプで生まれ育った。そのガーダを日本の女性ジャーナリスト・古居みずえさんが12年ほど追い続け、撮り溜めたフィルムがこの映画になった。

ヒジャーブ(イスラムのヴェール)をしているからといって、誰も同じような人間ではありえない。映画の冒頭で、ガーダは伝統的な結婚式を拒否して、家族じゅうと論議している。ここで私たちは、自分たちが勝手に描いていた「ガザの保守的な女性」という像ががらがらと崩れていくのに気づく。

と、同時にこの映画は女性の作り手で、しかも、パレスチナ人のふところに飛び込んでいった古居さんでしか作り得なかったものだということがわかる。

カメラはガーダを中心として、女たちがどっしりと腰をおろしている生活の空間を私たちに見せる(どんなに歓待されても、けっして男性たちが見ることができなかった世界だ)。

ガーダが切り開いていく新しい形の生活(親たちとは独立し、夫も家事に参加している)とガーダが属してきた家族の伝統的な生活。そのどちらも本当に今のガザであり、ガザの暮らしを作っているものだ。

結婚、出産、ある事件を契機に変貌していくガーダを追いながら、映画はガザの人々が毎日のような攻撃にあいながら、どうやって命を、生活をつないでいるかを見せてくれる。

砲弾が行き交い、簡単に人が殺され、蹂躙につぐ蹂躙を受けても、ガザの人々は生きることを諦めない。それどころか、その状況のなかで、ユーモラスに生きている。

その秘密をこの映画は解き明かしてくれる。

「パレスチナの人々は、よく笑い、歌い、ユーモアがあり、明るい。まるで、私の古里の家族や親戚の親しい人々とそっくりである。……これは私たちにとてもよく似た家族の現実である。そして、あきらめずに生きようとする私たちにとてもよく似た女性たちのドキュメンタリーである。……涙が溢れ、怒りが込み上げるが、何度も笑った。……この宝石のような映像を見て欲しい」(渡辺えり子・女優)

とくにおばあちゃんの歌(このような女性の非公式の歌が記録されることはほどんどなかったそうだ[山本薫氏による])や農夫の夫婦の歌の掛け合いのところで私は何度も涙を流した。悲しくてではなく、その素晴らしさのために。そこにほとばしり溢れる情感によって。

この映画は世界で見られるべきものだと確信している。そして、パレスチナの映画史に残っていくものになるだろう。それをまず自分の国で見られることが素直に嬉しい。できるだけ多くの人がこのフィルムの中にいるパレスチナの人々と出会いますように。


監督:古居みずえ
アラビア語・英語(日本語字幕)
2005年作品・106分

『ガーダ パレスチナの詩』公式ウェブサイト: http://ghada.jp
(*MacやLinuxではちゃんと表示されないようです。担当の方、なんとかしてくださいませ〜)

*「ガザは保守的な土地」……は西岸と比べての話で、湾岸諸国やサウジアラビアと比べたら、そう言えるかどうかは不明確。これはまた、「イスラム原理主義」と名付けられていることとは相関関係にあるとは言えない。

追加ネタバレありの感想も書きました: 『ガーダ パレスチナの詩』 2つの世界を飛び越えて


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◇『ガーダ パレスチナの詩』上映情報



  • 5月20日〜6月2日* 名古屋・シネマテーク
  • (*27日以降はモーニングショー、10:30のみ)
  • http://cineaste.jp/


    ◇Information 2 パレスチナからクリスチャン・パレスチナ人たちの来日

    (全貌はわかりませんが、知っているものだけ)

    • 大阪
    • 「パレスチナ交流集会 in 大阪 「パレスチナの今」」
    • 日時:5月17日(火) 午後6時30分〜8時30分(開場6時)
    • 講師:リアハ・アブ・エル=アッサール氏[聖公会エルサレム教区主教]
    • コメンテーター: 岡 真理氏(京都大学教員、現代アラブ文学)
    • コメンテーター:藤屋リカ氏(JVC・パレスチナ現地調整員)
    • 場所:日本聖公会・大阪聖パウロ教会 2階集会場
         北区茶屋町2-30、TEL:06-6371-0170
    • 地図
    • 参加費:資料代500円
    • [先着60名、日本聖公会大阪教区事務所まで申し込み。(1)名前、(2)住所、(3)電話番号、(4)Emailアドレス、(5)所属などを明記。
      申込先:[Email]office.osaka[アットマーク]nskk.org
          [F A X]06−6621−3097]

    • 福岡
    • 「講演交流会 パレスチナ人クリスチャンと平和」
    • 日時:5月16日(火) 19:00〜
    • 講師:タマラ・ニュ−カル(20歳代女性)[中東聖公会 エルサレム教区 青少年担当]
    • 場所:日本聖公会 福岡聖パウロ教会
          福岡市中央区草香江2-9-22
    • 問い合わせ先:濱生正直 092-751-0097
    • 参加費無料
    • 【注】[西南学院大学でも行われるとのこと]5月17日(水) 13:30〜 2号館 203教室 参加費無料

    • 東京
    • 18日に東京でもこの一連の講演会があると聞いていますが、詳細はわかっておりません。以下から情報を探して、お問い合わせを。
    • http://www.nskk.org/tokyo/

    ○【参考】「エルサレムから世界への呼びかけ」

    「パレスチナのキリスト者は尊厳と自由を持って生きることを死ぬほど求めている」というパレスチナのキリスト者たちからのメッセージが日本聖公会東京教区のサイトに出ています(今回の来日メンバーもメッセージの発起人に含まれる)。その中にはコリント書の次の一節が引かれていました。

    「一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです」(コリント1 12:26)

    全文は: http://www.nskk.org/tokyo/frem.cgi?other/2005/050408.html


    ◇Information 3 「Olive Project KEEP HOPE ALIVE」展

    「占領に反対する芸術家たち」による「Olive Project KEEP HOPE ALIVE」展 (東京・井の頭線「明大前」駅)

    • 場所:キッド・アイラック・アート・ホール 3Fギャラリー
    • 期間:2006年5月8日(月)─17日(水)
    • 【パレスチナ・カフェ】 会期中特別企画 (1F)
      • 5/15(月) 20時−21:30 「詩の夕べ ナタリーとファドワ」
      • 5/16(火) 20時−22時「パレスチナ Hip Hop CDコンサート」
      • 5/17(水) 20時−22時 「Olive Project  KEEP HOPE ALIVE 映像作品上映」

    • 展覧会については: http://www.vju.ne.jp/AAO/project_001.htm
    • 会場については: http://kidailack.co.jp/index.html


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■ コメント&トラックバック (3 件)

クリスチャン・パレスチナ人との交流集会

コメント by :yoshiyoshi

沖縄でもあります。

交流集会
パレスチナ人クリスチャンと
平和

日本聖公会東京教区とエルサレム教区の交流のために来日される訪問者2名を、沖縄に迎えて、パレスチナの現状を聞き、交流の時を計画しました。かの地の苦しみは、決して私たちと無関係ではありません。
お誘い合わせご参加ください。

●日時 2006年5月16日(火)18:30〜
●場所 宜野湾セミナーハウス tel 098−898−4361
http://w1.nirai.ne.jp/oki-gsh/
●費用 夕食代 1000円

沖縄キリスト教協議会・聖公会沖縄教区 共催
連絡:聖公会沖縄教区事務所 098−942−1101

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2006.05.08 (Mon) 08:42

千葉でもあります!

コメント by :岡 幸夫

パレスチナへのまなざし 広河隆一写真展&森沢典子さん講演会

広河隆一パレスチナ写真展(無料)
会場●千葉市女性センター・展示コーナー
日時●5月26日(金)11時〜20時
     27日(土)10時〜19時
     28日(日)10時〜14時

森沢典子さん講演会
会場●千葉市女性センター・ホール
日時●5月28日(日)13:30〜
入場カンパ●一般・1000円 学生・500円
主催●「パレスチナへのまなざし」実行委員会
後援●千葉市教育委員会

電話&FAX:043−206−0748
E-mail:oka.m.y@m5.dion.ne.jp

どうぞ、ヨロシク!

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2006.05.09 (Tue) 01:01

ありがとう

コメント by :ビー

yoshiyoshiさん、沖縄の情報をありがとうございます。北海道もあるようなので、追加の通信を出しておきたいと思います。(全貌がわかるところがないのです……)今、聖公会の友人にリサーチを頼んでます。

で、わかったことを書いておきますと、

北海道:
講演会「パレスチナにおける平和」
5月16日(火) 午後6時30分 於:札幌キリスト教会

「中東聖公会エルサレム教区・パレスチナより司祭をお招きし、今月16日午後6時30分から札幌キリスト教会で「パレスチナにおける平和」を語っていただきます。めったにないこのような機会に、どうぞお誘い合わせておいで下さい。」とサイトにはありました。

http://www.nskk.org/hokkaido/jimusyhoho-2006-05.html

横浜でもあるという噂が…確認できる場所がみつからなくて…。

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2006.05.09 (Tue) 01:05