2005.02.07
[東京]11-13日「アラブ映画祭」プレイベント2
書いていて、自分でちょっと悔しいお知らせを。東京で行われる「アラブ映画祭」プレイベントで、ミシェル・クレイフィとイスラエルのエイアル・シヴァンの共同製作によるドキュメンタリー「ルート181」が上映されるのだ…。見たいなぁ…。
この「ルート181」は、在仏パレスチナ人のクレイフィとイスラエル人のシヴァンが、1947年に国連によって提出されたパレスチナ分割案(国連決議181号)のラインに沿って旅をして、その幻の分割ラインに住む人々の声を拾っていくというもの。そこからイスラエル-パレスチナの紛争の姿がくっきりと浮かび上がるフィルムらしい。
「複雑な民族模様(エスニシティ)とともに住民の日常生活が浮かび上がる驚異のロードムービー。」(映画祭公式HPより)
この作品はフランスのポンピドーセンターにおける映画祭でフランス文化省により上映を差し止められたことがある。表向きの理由は「公共の秩序を乱す恐れがある」ということで──この検閲行為については、ジャン・リュック・ゴダール他多数の文化人が抗議を表明している──、実際にはユダヤ人団体などからのプレッシャーを受け入れたということらしい。
どうしてユダヤ人団体からのプレッシャーを受けたのか。それは監督たちが2民族が共存できるという視点をこのドキュメンタリーで打ち出したことと、また、とくにイスラエル人の生々しい証言(非常に差別的なものが多々ある)があまり都合良くないからだと思われる。
というわけで、証言としての迫力が大変あるドキュメンタリーなのだ。すでに見た人からは、「証言のなかに歴史の経緯が刻み込まれている」という言葉が聞こえてきている。アラビア語とヘブライ語を話す二人の監督の相互補完的な作業も面白いらしい。(イスラエル人のシヴァン氏のほうは、この映画のために様々な脅迫を受けたとのこと)
映画はイスラエル軍が「防衛の盾」作戦を展開していた2002年に撮影されているので、旅するふたりのうえをイスラエル軍のヘリコプターがパレスチナのほうへ飛んでいくなどというシーンも捉えている。
じつはこの映画は90分ずつの3部仕立て(4時間半)という長大な作品で、なかなか商業映画として上映されるのはむずかしい。今回の上映は非常に貴重な機会になるかもしれない。(他の場所で見られる可能性があるのだろうか…。うーむ)
2月13日13時より 東京・赤坂の国際交流基金フォーラム(地下鉄溜池山王駅下車)にて。他、11日『ある歌(うた)い女(め)の思い出』(チュニジア)、12日『西ベイルート』(レバノン)の上映ほか、講演などもあり。詳細は下の公式サイトに。
[追加]私も見た!
ごく一部を紹介した文章: 「この手が覚えている」ロッドの虐殺 映画「ルート181」から (05年4月)
2005年秋(10月)の 山形と東京での上映情報
☆2006年1月、 関西での上映会予告「ルート181」についてのレビューと、フランスでの上映差し止めについての英文記事:
3月には東京で リアル/アラブ映画祭3.18-19 、京都で 「ドキュメンタリー映画の世界2005」 (@京都造形大学3.25-27、イスラエルとアラブの映画が中心)も予定されている。
■ コメント&トラックバック (3 件)
ありがとうございます
コメント by :ビー
カフェ バグダッドさま、
ますますこの作品が見たくなる、非常に素晴らしい感想でした。どうにかして、全国で上映してほしいものですね。(そちらにトラックバックを入れようとしましたが、こちらからは入れられず。システムの問題があるようです。関西シーシャ情報もありがとうございます。一度、私も体験してみたいと思っています)。
2005.02.18 (Fri) 00:56



ルート181
コメント by :カフェ バグダッド
ほんとうに、すばらしい作品でした。
トラックバック from:カフェ バグダッド
2005.02.17 (Thu) 23:30