2009.02.24

「パレスチナを、村上春樹のエルサレム賞講演がきっかけで読み始める人に勧める5冊の本」続編

ブログ「モジモジ君の日記。みたいな。」で、 「パレスチナを、村上春樹のエルサレム賞講演がきっかけで読み始める人に勧める5冊の本」 というエントリが出た。この発端は、 「 村上春樹をエルサレム賞講演がきっかけで読み始める人に勧める5冊の本」 @鰤端末鉄野菜 Brittys Wakeさんが出て、それに「返礼」したということのようだ。私もその尻馬に乗ってみようと思う。

すでにモジモジさんが、「5冊+アルファ」を出されているので、私はそれ以外のもので、パレスチナについて読みはじめるのによさそうなものをピックアップしてみよう。

モジモジさんのところで取り上げられたのは以下の5冊。(詳細は モジモジさんのエントリ (こちらは表紙画像つき)で)

  • エドワード・サイード『パレスチナへ帰る』
  • エリザベス・レアード『ぼくたちの砦』
  • エリック・アザン『占領ノート』一ユダヤ人が見たパレスチナの生活
  • ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』
  • ルティ・ジョスコヴィッツ『私のなかの「ユダヤ人」』

このチョイスにそう異論はないので、ここから洩れてしまったもので、パレスチナのことに入りやすいもの、入手しやすいものを考えてみた。(順番には意味がありません)

村上春樹に興味があっても、なくても、「パレスチナって?」と思った人に捧げる入口になる書籍さらに5冊@P-navi編
  1. 森沢典子『パレスチナが見たい』(阪急コミュニケーションズ)

    2002年イスラエルの大侵攻が行われるなかで、パレスチナを訪問したときの記録。パレスチナ人との濃密な関わりによって見出したパレスチナの日常と、不正義にさらされる非日常がともに盛りこまれている訪問記。訪問記として評価が高く、パレスチナを理解しやすい一冊。

    (表紙画像等) http://palestine-heiwa.org/books/20020602.htm

  2. ジョー・サッコ『パレスチナ』(いそっぷ社)

    パレスチナを訪れた筆者が驚き、恐れ、うんざりしながら、人々の話を聞き、その当時の様子をコミックの形でまとめたもの。90年代初頭のことなのに、今でも状況は変わっていない。主人公のパレスチナとの距離感がかえってリアルさを醸し出している。

    (表紙画像等) http://palestine-heiwa.org/books/200704020.htm

  3. 広河隆一『(新版)パレスチナ』(岩波新書)

    新書で読めるパレスチナの概説書。筆者がパレスチナ問題に取り組むようになった経緯と、パレスチナの歴史が交錯して語られていて、個人史を追いながら、パレスチナ問題の核心が捉えられる。

    (表紙画像等) http://palestine-heiwa.org/books/20020520.htm

  4. 土井敏邦『沈黙を破る』元イスラエル軍将兵が語る“占領”(岩波書店)

    イスラエル兵士たちがどういう感覚で、どんな非人道的なことをしているかを、兵士当人たちが語ったインタビュー。それによって占領というものが何なのかが浮き彫りにされている。

    (表紙画像等) http://palestine-heiwa.org/books/20080509.htm

  5. 清末愛砂『パレスチナ』非暴力で占領に立ち向かう(草の根出版会)

    難民キャンプに滞在し、日々の難民たちの暮らしを体験しながら、パレスチナで非暴力抵抗を行うことを実践した筆者の体験記。歴史的経緯などにも触れている。「占領」とそれに対する「抵抗」を考える一冊。

    (表紙画像等) http://palestine-heiwa.org/books/20060101.htm

何が「入りやすい」のかどうかは、本当はその人それぞれによって違うので、なんとも言えないところがあるけれど、とりあえず。付け加えるなら、 Arisanのノート でも言及されているイラン・パペ『イラン・パペ、パレスチナを語る』「民族浄化」から「橋渡しのナラティヴ」へ(つげ書房新社) もすごくいいです。反シオニストのイスラエル人学者パペ氏の講演録で、歴史を踏まえながら、現在ある問題を分析し、深い思想を感じさせる一冊。何も知らないで読むには少々荷が重いかもしれないけれど。

(表紙画像等) http://palestine-heiwa.org/books/20080425.htm

わたし自身がとても好きなものは、田浪亜央江『〈不在者〉たちのイスラエル』占領文化とパレスチナ(インパクト出版会)だったりするが、これはまた、紹介する別な機会を今回のように作ってみたいと思う。

(「はてな」のように表紙画像がさっと入ったらいいんでしょうが、ここでは手作業なので、とりあえずパス。気が向いて、時間ができたら、表紙画像を入れてみるかもしれません)

カテゴリー:コラム | コメント 2 件 

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■ コメント&トラックバック (2 件)

ほとんど読んではいますが

コメント by :ダルヴィーシュ見習い

読んでない本もあって、ワタシにもよいきっかけです。訳がよければ「壁に書く」なんかも入れたかったりしますが。村上氏の愛読者がひとりでも多く、一冊でも読んでくださることを心から祈ります。

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2009.02.24 (Tue) 08:06

ヒストリーチャンネル

コメント by :beta_dolphinus

CSのヒストリーチャンネルで3回に渡って イスラエルとパレスチナの問題を取り上げて放送するよ。1回目は今やってるが、シャロンからハマス、ヒズボラの指導者たちのインタビューまで放映しているね。どちらに肩入れするわけでもないし、淡々と伝えようとしているから良くできている感じ。日本のジャーナリストが関連したドキュメンタリーみたいだが、地上波では見られない質のものになってるね。

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2009.03.06 (Fri) 21:46

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