2006.05.02

Cocco、「私達の美しい島を、"基地の無い沖縄" を見てみたい」

5月1日付の毎日新聞で、沖縄出身の歌手、Coccoさんの文章を読み、胸を衝かれた。

「あまり知られていないが/ジュゴンの見える丘という/美しい場所が沖縄には在る。/実際、ジュゴンを見たという/そんな人には/会ったことがないけれど/それでも私は/歩く力を失くした時/何度かその丘に立って/ジュゴンを待った。

普天間基地の移設に伴い/沿岸だろうと沖合だろうと/その丘の向こうに/ヘリポートが建設されれば/私たちはまた一つ景色を失う。/そもそも度重なる環境破壊や/水質汚濁によって/ジュゴンが帰ってくることなど/もう無いのだろうと/覚悟はできていたはずなのに/最後の細い祈りが/断たれた気がして、泣いた。/私は基地のない沖縄を知らない。/生まれる前から/基地はもうそこに在った」……

と、このエッセイは始まる。

(毎日新聞暮らし欄 「想い事。」5月1日より)

でも、Coccoはただ単純に「基地反対」と言えない事情を抱えていた。それは彼女がとても大切にしている人との関わりも含んでいることだったから。このへんが「その場所で」生きている人のひとつの実感でもあると私には感じられた。

……「"YES"も"NO"も/私は掲げてこなかった。/こんなの戦時中で言うなら/間違いなく非国民だ。でも、"YES"か"NO"かを/問われることは/残酷だという事を知ってほしい。/返還とは、次の移設の始まりで/基地受入れのバトンリレーは/終らない。/どこかでまた/戦いが始まるだけのことだ。」……

「YesかNoかを問うこと」を私たち(内地の人間)はしていなかったか。沖縄の人にだけ問うていなかったか。私たちはその問いから逃げていなかったか。

YesかNoかという二者択一とは違う地平から、今、Coccoはこう語っている。

……「生まれて初めて/私は、はっきりと願った。/あの出会いを失くすとしても、/あの存在を/否定することになっても。/馬鹿みたいに叫びたかった。/例えばその全てをチャラにして/能天気に鼻歌なんか歌いながら/高い高いあの空の上から/ただ "I Love You" を/掲げて。/私達の美しい島を、/“基地の無い沖縄”を見てみたいと/初めて、願った。」……

Coccoの絶唱のような文章に私は立ちすくんでいる。

ぜひ、全文を。

「想い事。」 (毎日新聞インタラクティブ内より。たぶん、ある期間で変わってしまうと想うので、キャッシュを取っておきました。下に)

「想い事。」5月1日分のキャッシュ: http://symy.jp/?l2_cocconobas


沖縄に行って来たばかりだから、このCoccoの声が私の中に反響しつづけている。

Coccoと沖縄米軍基地については 「Cocco、沖縄」 (heuristic waysさん)が書いている。

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■ コメント&トラックバック (7 件)

はじめまして。

コメント by :松井

はじめまして。heuristic waysを書いている松井という者です。
P-navi infoさんのサイトは時々拝見させていただいていて、いろいろ刺激を受けています。
Coccoの今回の文章、ここで初めて知ったのですが、まさに核心を衝くもので、脳天にガツンと来ました。ほんとにただただ立ちつくすほかない…そんな衝撃を受けました。

イエスでもなくノーでもないというのは、「問い」そのものの罠を拒否すること、そして「問い」そのものの前に立ちつくすことだと思います。Coccoはそこにいる。
じゃあ自分はどこにいるのか。米軍基地のあるこの国で、お前はどこに立っているのか。今度は自分がその「問い」を呑み込む番です。

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2006.05.02 (Tue) 17:02

Spinning Spring。

コメント by :

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2006.05.03 (Wed) 00:07

こんにちわ

コメント by :ビー

>松井さん、

まるで信仰告白みたいですが、私も松井さんの「heuristic ways」をよく読ませてもらっていて、いろんなことを考えさせてもらっています。それに呼応するようなものはほとんど書けていないのですが……。

タノックの引用、後で孫引きさせてもらいすね。すれ違いながら、時折交差する関係のなかで生まれるものをわずかづつでも積み上げていきたいです。

Coccoが突きつけたことに私は何を言えるのか。いや、要っていかないとならないのは、自分の政府なのだとこの場合は思います(にやけた顔をした麻生を見て、よりそう思った)。

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2006.05.03 (Wed) 16:40

その昔、Coccoの発言に打たれたことが、、、

コメント by :はやお

 おそらくデビューからまもなくのこと。90年代後半、土曜深夜の「カウントダウンTV」のゲストライブに登場したCoccoは、ライブ前の挨拶で、ぶっきらぼうに一言、「首里城にモノレールは要らないっつーの!」とだけ言いました。
 ゲストライブの登場者はたいてい自曲紹介をして「よろしく」。ところがCoccoはこの一言。場違いな発言かもしれないけど、僕は大きな衝撃を受けました。きっとその瞬間に伝えたいことをそのまま口にしたのでしょう。そのまま収録を放送した局も偉い。
 僕がそれを鮮烈に覚えているくらいだから、少なからずの視聴者がその一言に「何か」を感じたことと思います。

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2006.05.05 (Fri) 02:18

Coccoの想い・魂のうた・絶唱

コメント by :yoshiyoshi

先日はお会いできなくて残念でした。今度はぜひ。ぜひパレスチナのことなど、いろいろ教えて下さい。
Coccoのコラムのこと、そして彼女がこうした想いを持っていること、全然知りませんでした。このコラム、これからも読んでみようと思いました。

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2006.05.05 (Fri) 08:50

ストレートな魂

コメント by :ビー

>はやおさん、

私はシンガーとしてのCoccoさんをほとんど知らないんですよ。ただ、このモノレール発言のひとつだけでも、彼女は何の打算もなく、本当に自分にとって大事なことをまるごとだしてしまう人なんだとわかります。だから、彼女の言葉は心に届くのでしょうね。

>yoshiyoshiさん、

こちらこそ残念でした。沖縄のことは書かなければならないことや書きたいことが多すぎて、手つかずになってしまっていて、それがある程度完成したら、yoshiyoshiさんにお知らせしようと思っていて、このていたらく……。すみません、ちょっとずつやりますね。大浦湾のクマノミ御殿をどうやって守れるのか。それだけじゃないのですが、本当にたくさんのことがCoccoの叫びのとおり、ギリギリのところに立たされてますね。

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2006.05.07 (Sun) 01:12

本のない図書館なんて!/辺野古のジュゴン

コメント by :

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2006.08.23 (Wed) 20:15