2005.10.14
もうひとりのアルナ──イスラエルで初めて行政拘留された女性
ジェニン難民キャンプの住民たちから「もうひとりのアルナ」と呼ばれているイスラエル女性がいる。アルナとは 映画「アルナの子どもたち」 のアルナ・メール・ハミス。イスラエル女性でジェニンキャンプにやってきて、子どもたちの活動の場所を作った。それだけではなく、アルナは自由に生きろと子どもたちを常に励ました。
ジェニン難民キャンプの人々から、今、イスラエルの獄中にあるもうひとりのアルナに贈られた手紙を少し紹介したい。
「…僕たち全員が「がんばったね、ターリ」という言葉を贈るよ。ジェニンキャンプのきみの友達全員、キャンプのみんなを代表して、僕たち2つの人々の平和のために、占領と闘うきみ自身の闘いにおいて、きみの側にたっていることを言っておきたい。キャンプのみんなから愛と深い感謝の気持ちを贈るよ。みんなきみを応援している。そして、イスラエル人たちがきみの行動からひとつかふたつでも学んでくれて、きみの歩んでいる正義の道をわかってくれることを願っている。一線を超えてパレスチナ人と共に闘おうとするものは誰でも裏切り者、テロリズムの付属物と攻撃されるんだよ。僕たちはアルナ・メール・ハミス──キャンプにやってきて、僕たちの解放の闘いをともに担おうとした唯一の人を決して忘れない。彼女もまた裏切り者と言われていた。きみはアルナと同じ道を歩んでいる。そしてそのためにきみはとても重い代償を払っている。」
「僕たちは国際機関の保護の下、君の裁判に出席したいと思っているんだよ。そしてきみがキャンプにやってきた目的を証言したいんだ。きみがキャンプにやってきたのは、占領のもとでのパレスチナの暮らしを自分の全身で知り、見て、聞くことだった。それこそが国家が恐れていることなんだ。きみは占領の犯罪の証人になった。君は占領軍の暗殺キャンペーンへのバリアになった。ターリ、彼らはきみを怖がっているんだ。彼らは何百人ものターリ・ファヒマがきみの後に続くのを恐れているんだ。彼らはユダヤの女性たちが、男性たちが、フェンスを越え、恐怖のバリアを超えて、真実を知ることを怖がっているんだ。きみはユダヤの人たちに本当のことを伝えたがっていたね。だから、彼らはきみを黙らせようとするんだよ。そうさせてはいけない。僕たちはきみについている。
追伸:将来、またキャンプで会おう。そして一緒にクスクスを食べよう。」
このメッセージを送ったのはジェニン難民キャンプの住民たち。中心にいると思われるのは、ジェニンのアルアクサー団リーダー、ザカリヤ・ズベイディ。
送り先はターリ・ファヒマ。イスラエルで初めて女性として行政拘留を受けて400日以上、獄に閉じこめられている人物だ。
行政拘留は主にパレスチナ人、そしてごく一部の極右活動家に適用されるもので、罪状なしで拘留を続けることができるイスラエルの悪法だ。ターリさんはどうして行政拘留を受けているのか。
このターリさんは、ある日、ふと自分が思いこんできたことが嘘ではないかと思い、自分自身で確かめようとジェニン難民キャンプへ行った。映画の「アルナの子どもたち」も大きく作用していたと言われる。ジェニンへ行ったターリさんは子どもたちのための設備を作ろうとカンパを集め、玩具などを購入した。どのグループにも加わらず、個人で。
そこまでで親しくなっていたのが、イスラエルのお尋ね者で、何度も暗殺をされかけて生き延びていたザカリヤだった。ある日、ターリさんはザカリヤへの暗殺に対する「人間の盾」になってもいいと発表する。
ターリさんは逮捕された。そして、イスラエルの諜報機関が欲しがるような情報をしゃべらなかった。その罰がおそらく、行政拘留という措置になっていると思われる。
今、ターリさんの即時釈放を求める運動がイスラエルでは起きている。
かつてターリさんについて書いたもの:
一線を超えたイスラエル人 ─ターリ・ファヒマさんへのサポート要請
ターリさんをサポートする公式ページ: Free Tali Fahima
(もっと書きたいことがあったのだけれど、時間切れ。そのうち、付け足したいと思います)
追加
ザカリヤとジェニンキャンプの人々の雰囲気がわかる文章: 「アハマド、命の贈り物」──パレスチナ人からの臓器提供
追加207.1.23
ターリさんが釈放されました
ターリ・ファヒマ釈放「私の罪は暗殺に抗議したことだった」


