2005.04.15

3人の子どもたちの殺害の意味

「それにしても、なぜこの時期、このような事件が起こったのかには首をひねらざるをえない。時期的には、今回の事件は、ワシントンでの会談(ロードマップに基づく和平会談の再開のための詳細が話し合われるものと考えられている)の前日に起こった。そして、何よりもわからないのは、イスラエル兵がなぜ、50メートルの距離から致命的な手段を用いて少年たちを攻撃したのかということだ」(ガッサン・アンドーニ "Truce can't stand the murder of children" より)

10日にラファで少年3人が射殺された 事件について、パレスチナ人で、IMEMC News設立者の ガッサン・アンドーニ は上のような疑問を提出した。この文章のだいたいの内容を日本語で以下に。

"Truce can't stand the murder of children"

土曜(4月9日)の午後、ガザ地区南部・ラファ近くに駐屯するイスラエル軍の兵士が、空き地でサッカーをしていたパレスチナの少年たちに銃撃を浴びせ、3人を殺害した。

イスラエル軍は当初、武器密輸をしているグループのメンバーがいたためと主張していたが、ほどなく、パレスチナ自治政府に対して謝罪し、少年たちを撃った兵士と上官を尋問すると伝えた。

この少年殺害に対して、ガザのレジスタンス・グループは複数のイスラエル入植地と軍の駐屯地に向けて、手製のカッサーム弾十数発を発射したが、死者は出なかった。

レジスタンス・グループのリーダーの多くが、「イスラエル軍がパレスチナの子どもたちを殺しつづけているのに、停戦期などと言えるわけがない」と警告を発している。

シャルム・アルシェイク(Sharm Al-Sheikh)会談で停戦が宣言されて2週間後に、イスラーム聖戦のメンバーがテル・アヴィヴで自爆攻撃を実行すると、イスラエルは武力と外交の両面で応じ、西岸・トゥルカレム周辺の複数の村に侵攻するとともに、西岸地区の都市をパレスチナ自治政府の手に順次委ねていくのを凍結した。

今回の少年殺害事件を受けて、イスラエルもパレスチナ自治政府もともに、緊張が再び高まり、不安定ながらも2カ月にわたって続いてきた停戦が無実化することを懸念している。

パレスチナ自治政府は、武力行使のさらなるエスカレーションを抑え、平穏期の回復を図ろうと、即刻、レジスタンス・グループのリーダーたちとの話し合いを始めた。

それにしても、なぜこの時期、このような事件が起こったのかには首をひねらざるをえない。時期的には、今回の事件は、ワシントンでの会談(ロードマップに基づく和平会談の再開のための詳細が話し合われるものと考えられている)の前日に起こった。そして、何よりもわからないのは、イスラエル兵がなぜ、50メートルの距離から致命的な手段を用いて少年たちを攻撃したのかということだ。

この事件によって、パレスチナ自治政府議長、マフムード・アッバスにとって、今後、レジスタンス・グループに武力行使をやめさせるという言を実行するのはさらに難しくなっていくだろう。武器を放棄しないのは「イスラエルの攻撃」からパレスチナ人を守る必要性に基づいてのことだというレジスタンス・グループの主張が、多数のパレスチナ人にとって納得できるものとして受けとめられるのは間違いのないところだからだ。

パレスチナ人の大多数はアッバスを支持しているが、同時に、延々と続く無法状態と、銃の引き金を引くイスラエル兵の目に自分たちの命がいかに安く映っているかということに、「もうたくさんだ」という思いを抱いてもいる。

土曜、労働党議員のダニ・ヤトゥムは、「近い将来、『軍の司令官よりラビの教えに強い影響を受けている』ユダヤ教徒の将校が、上級階級の大多数を占めることになるだろう」と警告を発した。

軍は、今回の事件を慎重に調査する必要がある。というのも、ガザ地区からの撤退に反対している──したがって、外交中心の政策への転換に反対している──右派が、軍内部で広範に勢力を拡大しているからだ。

極右グループ、レヴィヴァ(Reviva)がハラムアッシャリフの丘で大規模集会の開催を企てたことと、ラファでの少年3人の殺害は、同じ目的を持っている。つまりは、停戦を終わらせる──ガザからの撤退案の承認とイスラエル−パレスチナの協力体制の復活が実現する可能性のある停戦期を終わらせる──というものだ

(太字強調は引用者による)


パレスチナ人に武装解除を求めながら、もう一方では武装闘争を仕向けるような動きが続いている。いったい、どっちやねん?

それにしても、このような動きのなかで命を奪われた少年たちが痛ましい……。こんなことはもうやめようよ。

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