2005.03.30
土地の日に────植民地(入植地)のさらなる拡大
(以下、これから発行しようとしている「ナブルス通信」のメインの部分です)
◇3月30日「土地の日」29年目の現実
──植民地(入植地)のさらなる拡大
1976年、イスラエル政府はイスラエル北部のガリラヤ地方に住んでいたパレスチナ人の土地の大規模な没収を発表しました。そこで人々が3 月30日に抗議のゼネラル・ストライキを決めたところ、前日にイスラエル軍・警察が村に突入し、暴行、逮捕が繰り広げられました。翌日、抗議のデモンストレーションは全イスラエルのパレスチナ人に広がり、その結果、2日間で6人が殺され、数百人が負傷・逮捕されました。これが「土地の日」です。
「土地の日」29年目になる今日聞こえてくるのは、イスラエル政府は西岸地区で隔離壁の建設を着々と進めるだけでなく、ロードマップにさえ反する新たな植民地(入植地 settlement)拡大計画を発表したというニュースです。
今、問題になっているのは、エルサレムの東にある西岸地区最大規模の植民地・マアレ・アドミムを拡大し、3600戸ほどの家を新築しようというものです。
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[以下、やや詳しく知りたい方のために]
この場所の拡大地図:
http://stopthewall.org/maps/574.shtml
はい、「複雑すぎて、わけがわからない」というのは当然ですね。少し着目点を書いておくと、
- 地図下方の「old city(エルサレム旧市街)」をみつけて下さい。
- ブルー系がイスラエルの土地(植民地含む)、グレーがパレスチナ人の居住地です。
- 「old city(エルサレム旧市街)」の向かい側(向かって右)に問題の「マアレ・アドミム」が広がっています。
- 黒い実線または灰色の実線で書かれた隔離壁のルートも見て下さい。
すでにエルサレムの周辺はイスラエル植民地で虫食い状態になっていますが、マアレ・アドミムが拡大することで、エルサレムはこの植民地に取り込まれる状態に近づきます。
その一方で、パレスチナ側は隔離壁と植民地でブロックされて、エルサレムと完全に切り離されることがわかります。
西岸の壁ルート最新地図でここの場所が占める意味を確認するには:
http://stopthewall.org/maps/860.shtml
[やや詳しく知りたい方のために、ココまで]
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マアレ・アドミム植民地が拡大するということは、(上の詳細地図でわかるように)
- エルサレムはイスラエルの植民地に完全に取り囲まれる(イスラエル領内に併合されると言ってもよい)
- エルサレムは他の地域のパレスチナ人から完全に隔離される
- 西岸地区全体がここで物理的にも分割される
ということを意味します。
このようなことは急に始まったわけではなく、70年代から着々と作られてきた植民地によって用意されてきたわけですが、壁の建設が国際司法裁判所の裁定にも関わらず続行されている現在、マアレ・アドミム植民地の拡大によってエルサレムをイスラエル領とする既成事実化、そして西岸の分割が仕上げの段階に入ったと言ってもよいのしょう。
反対にここで、植民地と壁の持つ意味が浮上してくるということも言えます。ただ単に好きな場所に作られているのではなく、隔離壁も植民地も計算された場所に置かれています。
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この植民地拡大について米国政府はいちおう、反対の意見を表明しています。それは自らが主導するロードマップの条件にさえ反するものなので当然かもしれません。しかし、ブッシュ大統領は「(将来、できるはずの)パレスチナ国家領土の物理的つながり」をそこなわないようにということを強調し、それに対してイスラエルは途切れ途切れになったパレスチナの土地は「地下トンネルや橋などで結ぶ」というような計画で応じようとしています。
(この「いつでもイスラエルの好きなように閉鎖できる」トンネルや橋という構想が茶番だという批判はイスラエル内からも起こっています)。
離れ小島のようにバラバラになっているパレスチナの土地ということも問題ですが、「物理的つながり」というのは論点をぼかすもので、本来は植民地や壁が問題にされるべきです。
米国政府は隔離壁に対しても最初は批判をしながら、国連安保理では拒否権を発動し、壁を容認しました。イスラエルが堂々と植民地拡大を言える背景には米国政府の「理解」もあると考えられます。
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ガザからの植民地撤退が西岸の植民地の恒久化とセットになっているというのはずっと語られてきましたが、それが形を伴って現実化しつつあるのが、この29回目の「土地の日」の状況です。
[パレスチナ人リサーチャーによる今回の植民地拡大についての分析は "Gaza disengagement means West Bank settlement expansion" ]で読める(英文)。結論としては「パレスチナ国家を樹立することはできない」というもの。
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◇パレスチナでの「土地の日」週間(西岸内)
29日〜9日までラマッラー、ベツレヘムなど各地でデモ(マーチ)が行われます。31日はラマッラーの「カルチャー・パレス」にて"Defend Jerusalem"と題された会議が行われ、2日に西岸北部で行われるマーチは、現在のイスラエル領内パレスチナ人と共催で、同時にイスラエル内でもマーチがなされるとのこと。
「植民地と植民地化に反対し、アパルトヘイト・ウォールを取り壊すという国際司法裁判所の裁定の実行を私たちは要求する」というのが今年のスローガンだそうです。
壁に抵抗するパレスチナ委員会から来ていたアピールには、このようなことも書かれていました。
「現在、難民問題がなっているように、隔離壁を援助の問題にすり替え、人道問題にすることを私たちは認めない」
これは壁に囲まれて、その中で「人道」支援を受けて生きるのではなく、壁を取り除くことが問題の解決なのだということを意味していると思います。
(以下、お知らせは割愛)


