2005.02.02

簀巻き(すまき)にして送還

外を見たら、しんしんと雪が降っていた。すでに真っ白な世界。うわぁ。きれいだけど、出かけるのは大変だ。それにすごく寒い。

強制送還に関する文章を2つ読んでいた。ひとつはイスラエル(パレスチナ)から、ひとつは日本から人を強制送還する話だ。

日本からというのは、西日本入管が昨年3回も外国人を簀巻きにして飛行機に乗せ、送り返したというもので、唖然としている。そのうちのひとりはロープのみで身体を動けないように拘束され、飛行機のタラップを引き上げられたために怪我をし、その様子を見た飛行機の乗務員が搭乗を拒否したため入管に戻っているということだ。

関西を中心に活動するRAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)が、人を簀巻きにするというのを再現したアクションを行い、それが朝日新聞・大阪版でも報じられている(写真あり。でも、記事はすぐに消えそう)

http://mytown.asahi.com/osaka/news01.asp?kiji=1156

このアクションを行ったRAFIQからのメールにはこうあった。

「毛布に簀巻きでの送還を再現しようということでやってみましたが、 練習中ですらスタッフは悲しくて泣き出すわ、僕自身本番でなんだか 「こんなことを日本がやってるのか!」と改めて胸に来て泣いたり。

今まで口で「簀巻き簀巻き」と何度も言っていたけれど、実際に見てみるといくら演技とは言えそれ以上のものがあります。」

読んでいるだけでも情けなくなってくる。(一概には比べられないけれど、パレスチナで活動する人権・平和活動家をイスラエルが強制送還する際にも、さすがに「簀巻き」だけは聞いたことがない)

人間として認めていないからこそ、「簀巻き」なんて手段が取れるのだろうなぁ…。それをしている国の一員であることに嫌気がさす。

以前にも入管での処遇については、 「ひとつの地獄からもうひとつの地獄「日本」へ に体験者の話を書いた。人間でも、犯罪者でもない、それ以下の扱い──刑務所よりひどい待遇だから──を受けている外国人たちの姿が、今回、RAFIQが西日本入国管理センターの収容者60人(全体の3分の一)を対象に行った健康状態などのアンケートから浮かび上がる。

以下、RAFIQからのメールの一部を転載。


[アンケート]回答者の収容月数は2日〜40ヶ月、20ヶ月以上の収容者が5人いました。
今回このアンケート結果を公表し、「密室である」西日本入国管理センターに収容されている方の「声」を届け改善につなげたいと思います。

**********************************

昨年末〜今年にかけ、西日本入国管理センターに収容されている被収容者、約三分の一(昨年度の述べ数を1年の日数で割ると177人になる。)「60人」にアンケートを実施したところ、身体の痛みを訴える者が8割以上、その中で薬を服用する者が60%以上にも昇ることが分かった。また、何らかの理由で眠れない者は88%、更に三ヶ月以上の長期収容者に至っては、95%が何らかの理由で眠れないと回答した。   痛みを感じる部位で一番多くあげられたのは頭(43%)、次いで脚(22%)、お腹(20%)と続いており、RAFIQは拘禁ノイローゼや極度のストレスによる典型的な頭痛、及び、十分な運動時間が与えられていないことから来る、慢性的な運動不足による脚の痛みが大半を占めていると判断する。そして、被収容者からは「食事に野菜がすくない」「揚げ物ばかり」という声も挙がっていることから、ストレス以外にも根本的な食生活が腹痛を引き起こしているのではないかと危惧する。

また、不眠のために睡眠薬を飲む者が35%近くおり、眠れない理由として『いつ出ることが分からない』という『無期限の収容』に対する不安を訴えている収容者が60%もいた。三ヶ月以上の長期収容者(以下、「長期」と省略)の場合、「いつ出られるか分からない」のを眠れない理由としてあげている者は74%と、全体よりも14%アップしていることから、無期限の長期収容は私たちの想像以上に、被収容者に対してストレスを与えていることが伺える。無期限の長期収容は人権侵害であると、国連人権小委員会や国連難民高等弁務官からも勧告のある通り、国内外からの批判の声も強くRAFIQも早急にこの状況を改善するよう強く訴える。

その他にも、眠れない理由として『家族が心配(全体・45%:長期・55%)』であることも多くあげられ、以前から指摘されている「家族の分断」を伴う不適切な収容が、精神的・身体的な苦痛に繋がっているという点も見受けられる。これもまた、長期には顕著に現れている。   被収容者の中には3年4ヶ月も収容されている人間がいることも分かり、これは明らかな『拷問禁止条約』及び、『自由権規約』違反である。

また、これら身体の痛みを訴える者に適切な医療もさることながら、「布団」が与えられていないことも危惧する。   今回のアンケートに答えた多くの者が、半年を越える収容を強いられており、それだけの期間を「毛布五枚」のみで過ごさせることは肉体的・精神的共に、苦痛を故意に与える行為である。これは拷問禁止条約じようで言う「拷問」にも等しい扱いである。   入国管理局は、ただちに被収容者の苦痛を取り除くために布団の配布すべきであり、他にも運動時間の延長、及び適切な仮放免の運営などの処置を執るべきである。

被収容者の三分の一以上の者が、睡眠薬を飲まなければ眠ることのできない環境とは、決して見過ごせない事実であると同時に、根本的な改革を強く求める。

***********************************

(RAFIQからの報告メール2.1付、太字は引用者による)

RAFIQのウェブサイトは:
http://www.rafiq.jp/

(どうしてもつながらなくて、西日本入管への申入書や上記のアンケートがもうウェブに反映されているか、確認できていない…)

この状況って懲罰というより確かに拷問に近い。それをやっているのは法務省だというのが、恐ろしい。

(イスラエルの行っている強制送還などについては、また、別の文章で報告予定)

トップページインデックス | 関連カテゴリー コラム

■ コメント&トラックバック (0 件)