2005.01.12
雑感:アルエル・シャロンの過去/『夕凪の街 桜の国』
カナダ在住のイスラエル人社会学者、バルーフ・キマーリングによる『ポリティサイド』(柘植書房新社、脇浜義明訳)を読書中。これが変な言い方になるけれど、とてつもなく面白い。全体についてはまた書きたいと思うけれど、随所に発見がある。
「近年のイスラエル・ファシスト化のうち最も決定的なものは他者定義である──「他者」(この場合、西岸地区およびガザ回廊のパレスチナ人を指すが、アラブ系イスラエル国民をも含めることが多い)を、イスラエル国家とイスラエル国民一人ひとりの存在にとって危険であるという定義である」(『ポリティサイド』序より)
じつに正鵠を得ていると思う。
「パレスチナ人の正当な社会的・政治的・経済的まとまりとしての存在を解体するプロセス」としての「ポリティサイド」(著者による造語)を描き出すこの本はアリエル・シャロンの経歴を追いながら、このプロセスを説明している。
で、シャロンが子どもの頃から護衛用にバットを携帯していたなんてこともあるけれど──どんな6歳児なんや?──、若き日の軍人としてのシャロンに今のイスラエル軍の姿が凝縮されているのに驚いた。
同僚や部下から「無関係な民間人を多く殺すだけ」「かえってイスラエル人を危険に晒す結果をもたらす」と忠告され、作戦としても容認されなかった戦術──それはほとんど虐殺のようなものばかりだ──を、シャロンは若いときから平然と行っていて、その結果もたらされる批判には「部下の生命を守る必要上やむをえず発生した民間人の死傷者だ」などと言い訳をする。嘘もつきまくる。こんなことの連続。はぁ。
もう一つの特徴は、相手に報復攻撃をさせるために、攻撃をしかけていくという手口で、紛争をエスカレートさせてきたこと。挑発しておいて、パレスチナ側から反撃が来たら、それを口実にさらに大きな攻撃を行う。まさに今の状態そのもの。
つまり、昔はシャロンが突出して取っていた行動が、今ではイスラエル軍のスタンダードになっていると考えてよいのだろう。
この書籍のデータなどは 関連書籍紹介 (パレスチナ情報センター)に。
☆
広島で被爆した一家の60年を描いたマンガ『夕凪の街 桜の国』(こうの史代、双葉社)を読んだ。とても評価が高いマンガだとは知っていたけど、歴史のなかの闇を背負いつつ生きている人の姿をとても静かに描き出している。
短いマンガなのに何度も読んでも、余韻が深く残る。ここに紹介文みたいなのを書いてみた。 Biiの関心空間



ご無沙汰です
コメント by :ダルヴィーシュ見習い
ここんとこ、シゴトの山に潰され状態で
ひ〜ん(笑)という感じですが、
シャロンのこの本は興味深いですねえ。
見落としていました。
すぐ買いに行こ。
以前からシャロンについてはじっくりと調べてみたい、
と思っていたので(ヒトラーに興味が湧くのと
似たよーなものがありますけど)。
・・・煽りに煽って専制攻撃させる手口は
どっかの国とそのままですね。
どうも「闇の外交マニュアル」みたいのも
あるような気がします(どっかにソースとなった
ヤツの思想もしくは本があるのでしょう。
一八〜一九世紀辺りかな←単なる動物的カンだけど)
堀越上人が帰国されていて、
近日中に会う予定です。
いろいろ現地の話が聞けそうです。
ではでは。
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2005.01.13 (Thu) 08:40