2004.09.22

これぞスケープゴート パレスチナ人を殴って懲役

先ほどロイター通信が滅多に見ない類のニュースを流していたのを読んだ。「イスラエル兵、パレスチナ人を殴って懲役刑!」というもの。ナブルスの出入り口にあたる悪名高いフーワラ検問所で2人のパレスチナ人を殴った兵士が軍法裁判にかけられ、懲役6ヶ月をくらったということだ。

運悪くというか、この兵士(実際にはけっこう上官?)は検問所での行いをビデオテープに撮られてしまっていた。手錠をはめたパレスチナ人の顔を殴るシーンと、妻や子の面前で男性をはたき、蹴りを入れていたシーンがビデオにはあった。

「被告の行いは義務を遂行することに恥知らずにも失敗し、暴力的で不愉快な方法を採っていた」とかなんとか……と裁判官。

「まったく可哀想だね。なんて運が悪いんだろう…」と同情する人は、仲間の兵士たちだけでなく、じつはパレスチナ人にもいそうだという気がする。「同情」というとおかしいが、こんなことは日常茶飯事だし、もっとひどいことも行われているのだから、この兵士はじつに運が悪いというのだけは誰しも認めるところだろう。

「この程度で懲役になるなら、占領地の兵士のほとんどが監獄行きだ〜」と普通のパレスチナ人は思うにちがいない。まじに茶番なこの裁判。

イスラエルの人権団体は検問所での虐待を非常に丹念にウォッチして、ずっと実態を告発してきた。ブツレムなどの人権団体の他、母親たちでつくる「マフスーン(検問所)・ウォッチ」などは毎日のように当番制で検問所に行き、何が起こっているかをドキュメントしてきた。

このような告発がだんだん実を結び(アブ・グレイブの拷問発覚なども関係しているかもしれないが)、イスラエル軍もイメージの低下を懸念し始め、少し前に検問所での振る舞いをもっと「上品にする」というような発表を行った。人間的な対応をするというのだ。その際、「マフスーン・ウォッチ」の人々には検問所での対応ハウツービデオを監修してもらうとか言っていた気がする。

「つーか、検問所そのものが人権侵害だし、虐待だろ!」とツッコミを入れたのは私だけではない。

ハアレツ紙のアミーラ・ハス記者がこの問題を鋭く切り込んだ記事を書いている。ちゃんと読み直していないけど、ここにリンクを。

Checkpoint behavior AMIRA HASS, 2 September 2004

検問所の実態についてはたくさんのレポートがでているが、日本語になっているのはこういうもの。(これでも序の口だったりするので、恐ろしい。ちなみに問題のフーワラ検問所の出来事)。

監獄と野獣──検問所とはどういうところなのか── フーウェイダ・アラーフ

*「マチソム・ウォッチ」と書いていましたが、正しくは「マフスーン・ウォッチ」だということを教えてくださった方がいたので、訂正しました。

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■ コメント&トラックバック (1 件)

余計なお世話ですが...

コメント by :通り掛りの者

 掲載内容とは直接関係なく余計なお世話ですが、「マチソム・ウォッチと書いていましたが、正しくはマフスーン・ウォッチ」という記述は正しくありません。一番原語に近いのはマフソム・ウォッチ=ma(c)hsom watchで、マフソム(通行止め、検問所)は妨げるという意味のヘブライ語動詞のハサム(c)hasamの派生語です。あしからず。

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2005.08.21 (Sun) 18:57